篠原美琴

森霧媚薬、義弟の抑えぬ視線(第3話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第3話:夜霧秘孔の渇望

 悠人の足音が、霧のヴェールに溶け込むように近づく。木陰の端で止まる気配。触れぬ距離──一メートル半ほど。私の背中は巨木の冷たい幹に預け、苔の湿気が服越しに染み込む。夕闇はすっかり夜の帳となり、森の奥は深い闇に沈む。平日の夜、人の気配などない。ただ、木々のざわめきと、霧の粒子が肌を撫でる感触だけ。

 体内の熱は、頂点に達しようとしていた。ハーブの波が、下腹部の奥深くを掻き乱す。甘い痺れが、秘めた部分──普段、意識すら及ばぬ後ろの窄まり──を震わせ始める。歩くたびの擦れが、蓄積した疼きを呼び、野外の冷風がそこを鋭く刺激するように感じる。息が、途切れ途切れに。胸の上下が激しくなり、服の生地が肌に張りつく。

 悠人の視線が、重く落ちる。私の腰から、尻の曲線へ。霧越しに、熱い。そこに、渇望の光が宿る。二十八歳の義弟の瞳が、普段の穏やかさを失い、獣のような揺らぎを帯びる。私は動かない。木幹を握る指が、白くなるほど力を込める。膝が、内側に寄り、太腿の内側が密着する。だが、それだけでは収まらない。秘孔の奥が、熱く収縮し、未知の疼きを呼び起こす。

 沈黙が、森の夜を支配する。言葉はない。ただ、互いの息遣いが、霧を震わせる。悠人の喉が、再び鳴る。低く、抑えきれない響き。私は目を伏せない。彼の視線を、受け止める。三十歳の私の体が、血のつながらぬ義弟の視線に、完全に晒される。服の下、肌が熱く火照り、汗が首筋を伝う。冷風が、それを乾かす前に、熱が再び高まる。

 彼の息が、深くなる。胸板の上下が、霧の向こうでわかる。手が、ポケットから抜け、わずかに宙を彷徨う。触れようとして、止める仕草。私の唇が、乾き、舌で湿らせる。視線が、そこに絡みつく。互いの欲が、沈黙の中で認め合う。触れぬ距離が、かえって心を溶かす。ハーブの媚薬が、二人の心理を蝕み、合意の糸を静かに紡ぐ。

 疼きが、頂点へ。秘孔の窄まりが、甘く痙攣を始める。野外の冷風が、尻の谷間を撫でるように入り込み、熱い肌を震わせる。視線だけで、全身が支配される。悠人の瞳が、私の後ろ姿を想像するように、腰を這う。そこに、秘められた渇望──未踏の窄まりへの、抑えぬ熱。私は、木幹に深く寄りかかり、体をわずかに反らす。尻の曲線が、霧に浮かぶ。

 息が、止まる。私の喉から、微かな吐息が漏れる。抑えきれず。体内の波が、爆発的に膨らみ、下腹部から秘孔へ、甘い電流が駆け巡る。膝が震え、太腿が擦れ合う。服の下、湿り気が頂点に達し、窄まりが熱く脈打つ。部分的な絶頂──触れられぬまま、視線と息だけで、全身を甘く支配する。悠人の視線が、それを捉え、彼の息も乱れる。互いの震えが、沈黙で共鳴する。

 霧が濃く、二人の影を包む。夜の冷風が、熱い肌を冷ますのに、疼きは収まらない。むしろ、増幅する。私はゆっくり体を起こす。視線を、彼に固定。三十歳の女の目が、二十八歳の男を誘う。言葉なく、合意の沈黙が深まる。触れぬ距離の果てに、心が溶け合う。秘孔の余韻が、未踏の渇望を残す。

 悠人が、一歩、踏み出す。触れぬまま、木陰の奥へ視線を移す。森のさらに深い闇──霧の渦巻く空き地のような場所。そこを、指さす仕草。息で、囁くように。
 「──あそこ」

 私の頷きが、沈黙で応える。合意の選択。次の場所へ。この夜霧の野外で、疼きの頂点が、迫る。

(第4話へ続く)