久我涼一

隣室美脚AV女優の熱視線(第1話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第1話:エレベーターの疼く視線

 新しいマンションのエレベーターが、静かに扉を開けたのは、平日の夕暮れ時だった。浩一は四十八歳の独身会社員で、長年勤め上げた末にようやく手に入れたこの部屋へ、荷物を運び終えたところだった。重い段ボールを抱え、汗を拭いながら中へ踏み込む。息が少し上がっていた。

 すると、すでに乗っていた一人の女性が、穏やかな視線を向けてきた。三十歳前後の、洗練された大人の女性。黒いタイトスカートが膝上までを覆い、細身のヒールが足首を際立たせている。だが、浩一の目を奪ったのは、その脚線美だった。完璧に引き締まったふくらはぎから、滑らかな膝小僧へ、そしてスカートの裾から覗く太ももの内側の柔らかな曲線。ストッキングの薄い光沢が、夕暮れの淡い光を反射して、微かな輝きを放っていた。

 心臓が、突然強く鳴った。浩一は慌てて視線を逸らそうとしたが、無理だった。彼女の脚は、ただそこにあるだけで、静かな威圧感を放っていた。筋肉の張りが適度で、決して細すぎず、むしろ成熟した女性の肉感を湛え、歩くたびに微かに揺れるだろうそのラインを想像させる。エレベーターの狭い空間で、浩一の視界は完全に支配された。息が浅くなり、喉が乾くのを感じた。

 女性は気づいているのかいないのか、静かに立っていた。長い黒髪を後ろでまとめ、淡いピンクのブラウスが胸元を優しく包んでいる。化粧は控えめで、唇に薄い光沢が差すだけ。だが、その脚の存在感が、浩一の理性をゆっくりと溶かしていくようだった。引っ越し疲れの体に、予期せぬ熱が灯る。こんな感覚は、何年ぶりだろうか。

 エレベーターが動き出し、数字がゆっくりと上がる。沈黙が続く中、浩一は必死に目を逸らそうとしたが、つい下に落ちた。彼女の脚が、わずかに体重を移すたび、ストッキングの繊維が微かに擦れる音が聞こえる気がした。想像が膨らむ。あの脚が、ベッドの上で絡みつくように動いたら。膝がゆっくりと開き、太ももの内側が露わになったら。浩一は自分を叱咤した。四十八歳にもなって、こんなところで欲情するとは。

 ふと、彼女の顔を改めて見つめた瞬間、記憶が閃いた。あの脚、あのライン……。人気のAV女優、美咲。数年前にブレイクした女優だ。ネットの配信サイトで、何度か見たことがある。痴女役を得意とし、特に脚を使ったプレイでファンを魅了する。画面越しでも、あの美脚の迫力は忘れがたい。まさか、こんなマンションの隣室に住んでいるとは。浩一の胸が激しく高鳴った。興奮が、抑えきれない波となって体を駆け巡る。彼女は本当に、あの美咲なのか。確信はないが、脚の曲線が、記憶とぴたりと重なる。

 エレベーターが浩一の階に着き、扉が開く。女性が先に降り、振り返って微笑んだ。「お隣さん、引っ越しお疲れ様です」。声は柔らかく、低いトーン。穏やかな挨拶に、浩一は言葉を詰まらせた。「あ、ありがとうございます……」。ようやく絞り出した返事。彼女の名前、美咲、と名札のようなものがドアにあったのを思い出す。間違いない。あのAV女優だ。

 部屋に入り、ドアを閉めた瞬間、浩一は壁に凭れかかった。心臓の鼓動が、まだ収まらない。彼女の脚の記憶が、脳裏に焼き付いて離れない。タイトスカートの裾から覗く太ももの、微かな肉の柔らかさ。ヒールの先が床に触れる音が、エレベーター内で反響したかのように、耳に残る。シャワーを浴び、ベッドに横になっても、興奮は冷めなかった。AVのシーンを思い浮かべる。あの美咲が、カメラに向かって脚を組み替え、誘うような視線を投げかける姿。現実の彼女が、隣室にいる。こんな至近距離で。

 夜が深まる。時計は十一時を回っていた。静かなマンションに、微かな音が響き始めた。隣室から。足音だ。カツ、カツ、とヒールが床を叩くような、抑えたリズム。ゆっくりと動き、止まり、また動く。まるで、部屋の中を歩き回る音。浩一は耳を澄ませた。息を潜め、壁に手を当てる。あの脚が、床を踏みしめている。ストッキングの擦れ、太ももの筋肉が収縮する感触が、音を通じて伝わってくるようだ。想像が、止まらない。彼女は今、何をしているのか。夜着に着替え、脚を伸ばしてストレッチか。それとも、仕事の準備で鏡の前に立ち、脚線を確かめているのか。AV女優としての、日常の仕草。

 足音が近づき、壁際に寄る気配。浩一の体が熱くなった。脈打つような疼きが、下腹部に集まる。彼女の吐息が、壁越しに聞こえる気がした。いや、気のせいか。だが、足音は続き、リズムを変えてゆっくりと遠ざかる。浩一はベッドに横たわり、目を閉じた。興奮が、頂点に達しそうで、しかし抑え込んだ。こんな夜に、隣室の音にこれほど翻弄されるとは。現実の欲望が、ありふれた日常の隙間から、ゆっくりと膨らんでいく。

 明日の朝、またエレベーターで会うかもしれない。あの脚を、間近で。浩一の理性が、僅かに揺らぎ始めた。隣室の足音が、静かに続き、夜の闇を熱く染めていく……。

(約1950字)