雨宮凪紗

部下の手に堕ちる上司の熱(第1話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第1話:ネクタイの緩みと疼く予感

オフィスの窓辺に、夜の闇が静かに広がっていた。平日遅く、残業の灯りがぽつぽつと残るフロア。拓也はデスクで資料を睨み、30歳の厳格な上司として、いつものように完璧を求めていた。スーツのネクタイが首を締め、集中を促す枷のように感じる。

隣の席で、部下の翔がキーボードを叩く音が響く。25歳の翔は、入社以来の優秀さで拓也の信頼を勝ち得ていた。細身の体躯に、鋭い眼差し。今日も残業を手伝うその姿に、拓也は無意識に視線をやる。

「部長、まだ終わらないんですか?」

翔の声が、低く響いた。拓也が顔を上げると、翔の視線がまっすぐに絡みつく。普段の穏やかな部下の顔ではない。熱を帯びた、獲物を狙うような視線。拓也の息が、僅かに止まる。

「あと少しだ。君も早く帰れ」

言葉を返しながら、拓也の胸にざわめきが走る。翔は椅子を引いて立ち上がり、拓也のデスクに近づく。距離が縮まり、空気が重くなる。翔の指が、拓也のネクタイに伸びた。

「そんなに締めると、息苦しいですよ」

翔の指先が、ネクタイの結び目を緩める。布地が滑り、首元が露わになる感触に、拓也の肌が震えた。指の熱が、直接伝わる。翔の視線が、首筋をなぞるように落ちる。

「翔、何を……」

拓也の声が掠れる。抵抗する間もなく、翔の指が首筋に触れた。軽く、爪を立てるように。電流のような痺れが、拓也の背筋を駆け上がる。息が荒くなり、喉が鳴る。

翔の唇が、僅かに弧を描く。「部長のここ、熱いですね。いつもこんなに張りつめてるんですか?」

囁きが耳朶をくすぐる。拓也の体が、熱く反応する。首筋から胸へ、ざわめきが広がる。翔の指が、シャツの襟を開き、鎖骨を撫でる。肌が敏感に震え、息が重なる。二人の吐息が、オフィスの静寂に溶け合う。

拓也の視界が揺らぐ。厳格な上司の仮面が、剥がれ落ちそう。翔の目が、深く拓也を引き込む。互いの熱が、絡みつく糸のように体を繋ぐ。

「ここじゃ、続きができませんよ。僕のマンション、近いんです」

翔の言葉に、拓也の理性が溶ける。オフィスの扉を抜け、夜の街路を急ぐ。雨上がりの路地に、街灯が湿った光を落とす。翔のマンションは、数分の距離。エレベーターの密室で、再び視線が交錯。拓也の心臓が、激しく鳴る。

部屋に入ると、翔がドアを閉め、鍵をかける。薄暗い室内に、革の匂いが微かに漂う。翔の指が、拓也のネクタイを完全に引き抜く。布が床に落ちる音が、響く。

「部長、座ってください」

翔の声に、拓也の体が従う。ソファに沈み込むと、翔が引き出しを開ける。そこから取り出したのは、黒い革ベルト。光沢を帯び、しなやかに揺れる。

翔の目が、妖しく輝く。「これで、部長を少し、縛ってみたくて」

ベルトが翔の手の中で、軽くしなる。拓也の体が、熱く疼き始める。首筋の余熱が、下腹部へ降りてくる。抵抗の言葉が喉に詰まり、代わりに息が漏れる。翔の視線に、支配の予感が宿る。

拓也の肌が、期待に震えていた。

(第2話へ続く)

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