相馬蓮也

湯煙に蕩けるお姉さんの蜜夜(第2話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第2話:宴の酒、膝上を這う指

 湯上がりの浴衣が肌に張り付き、彩花の身体はまだ熱く火照っていた。露天風呂から上がって間もなく、拓也たち三人に促され、宿の宴会場へ足を運ぶ。廊下の木目が足裏に冷たく、夜の山風が障子越しに忍び込み、浴衣の隙間をくすぐる。心臓の鼓動が速く、湯の余熱が下腹部に甘い疼きを残していた。あの視線の熱さ、三人の逞しい肢体が脳裏に焼き付いて離れない。衝動的に頷いた夕食の誘い、今さら後悔しても遅い。

 宴会場は畳敷きの広間、卓袱台が並び、提灯の柔らかな灯りが湯煙の残り香を優しく包む。平日夜の宿は静かで、他の客の気配も薄く、四人だけの空間が広がっていた。拓也が予約した一卓に着くと、女将が酒と料理を運んでくる。熱々の湯豆腐、焼き魚、季節の山菜。酒は地酒の徳利、冷えたグラスが並ぶ。

「彩花さん、乾杯! この出会いに」

 拓也がグラスを掲げ、健太と悠斗が笑顔で続く。彩花もグラスを合わせ、喉を鳴らして飲む。酒の辛みが舌に広がり、湯の熱さと混じって身体が一気に火照る。会話が弾む。大学時代の思い出、都会の仕事の愚痴。22歳の三人は新社会人で、平日休みを合わせての温泉旅行だと言う。彩花の25歳の日常、衝動的な一人旅の話に、目を輝かせる。

「彩花さんみたいな綺麗なお姉さんと飲めるなんて、ラッキーですよ。湯船で会った瞬間、ドキッとしました」

 拓也のストレートな言葉に、彩花の頰が熱くなる。隣に座る健太の肩が、わずかに触れる。浴衣の袖が擦れ、肌の温もりが伝わる。悠斗は向かいに座り、視線を落とさず彩花の首筋を追う。酒が進むにつれ、卓の空気が甘く濃密になる。三人の視線が、浴衣の胸元、膝のラインを滑る。彩花もまた、拓也の首筋の汗、健太の太い腕、悠斗の細身の指先に目を奪われる。若さの勢いが、酒の熱を煽る。

 二合目に入り、彩花の頭がふわっと軽くなる。未熟な衝動が、胸の奥で爆発しそう。湯上がりの肌は敏感で、浴衣の下で乳首が硬く尖るのを感じる。拓也が肘で肩を突き、笑う。

「彩花さん、湯船で見た肌、ほんとにすべすべ。触ってみたくなるよなあ」

 冗談めかした言葉に、健太が頷き、悠斗が照れ笑い。だが視線は本気だ。彩花の心がざわつく。この熱い空気、逃げられない。むしろ、身体が求めている。グラスを置くと、拓也の手が自然に肩に回る。熱い掌が浴衣越しに肌を撫で、彩花の身体がびくりと震える。

「ん……拓也、くすぐったい……」

 声が甘く漏れる。三人は息を荒げ、視線が絡みつく。健太の指が卓下で彩花の膝に触れ、ゆっくりと膝上を這う。浴衣の裾が捲れ上がり、素肌に指先が直接触れる。震えが走り、下腹部が熱く疼く。悠斗も手を伸ばし、反対の膝を優しく押さえる。全員の視線が、彩花の反応を待つ。

「彩花さん、嫌じゃないですよね? 俺たち、彩花さんのこと、湯船からずっと気になって……」

 健太の声が低く、熱い。彩花は酒の勢いと湯の余熱に押され、素直に頷く。衝動が理屈を追い越す。この甘い疼き、止めたくない。

「ううん……私も、みんなの視線、熱くて……ドキドキしてる。もっと、触って……」

 言葉が出た瞬間、後悔の影がちらつく。でも、身体は正直だ。三人の手が大胆になる。拓也の指が肩から首筋へ、健太の掌が膝上を優しく揉み、悠斗の指先が太もも内側をなぞる。浴衣の隙間から熱気が漏れ、卓の空気が息苦しくなる。酒の徳利が空になり、料理の皿が散らかる中、互いの息が荒い。合意の空気が、確実に部屋を満たす。四人の視線が重なり、誰も止める気配がない。

「彩花さん、こんなところで我慢できないよ。俺たちの部屋、近いんだけど……どう?」

 拓也の誘いに、健太と悠斗が頷く。彩花の心が激しく揺らぐ。25歳の未熟さ、衝動の後の迷い。でも、膝上の指の熱さ、肩の温もり、視線の渇望が、理屈を溶かす。汗ばむ肌が、浴衣を湿らせる。立ち上がりたくなる衝動に、身体が震える。

「うん……行こっか。みんなと、もっと……」

 頷いた瞬間、宴会場の提灯がぼんやり霞む。廊下を抜け、部屋への足取りが速まる。三人の背中が近く、酒と湯の匂いが混じる。彩花の浴衣が乱れ、肌の火照りが止まらない。部屋で何が待っているのか。心臓の鼓動が、夜の静寂を切り裂く。

(第3話へ続く)