緋雨

上司視線に震える美脚の絆(第1話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第1話:デスク下の沈黙の視線

 平日の夕暮れ、出版社のオフィスは静けさに包まれていた。窓辺に差し込む薄い光が、埃の粒子を浮かび上がらせ、キーボードの音だけが時折、虚空を裂く。30歳の編集者、遥はデスクに座り、資料の山を前に目を細めていた。黒いタイトスカートが膝上まで引き上げられ、細く引き締まった脚が露わになる。ストッキングの薄い光沢が、蛍光灯の下で微かに揺らめく。

 向かいに座るのは、35歳の上司、拓也。部署の責任者として、冷静な視線で原稿をめくる彼の存在は、いつも空気を重くする。今日の打ち合わせは、新刊のプロモーション案だ。言葉は最小限に交わされ、沈黙が主役だ。遥は資料を指でなぞりながら、無意識に脚を組んだ。右脚が左の上に滑り、くるぶしが軽く触れ合う。スカートの裾がわずかにずれ、太ももの内側が空気に触れる感触。

 その瞬間、拓也の視線が落ちた。デスクの下、遥の脚に。鋭く、しかし静かに。遥は気づかないふりをした。心臓の鼓動が、わずかに速まる。視線は熱くなく、ただ深く沈む。脚のラインを、踵から膝、太ももの曲線まで、ゆっくりと辿るように。遥の肌が、ストッキング越しに甘く熱を持つ。息が、微かに乱れる。

「このレイアウト、どう思う?」拓也の声が、低く響く。遥は顔を上げ、資料に目を戻すふりをする。だが、脚は動かさない。組んだまま、わずかに膝を揺らす。視線が、再びデスク下に落ちるのを、肌で感じる。空気が張りつめ、息づかいが絡み合う。オフィスの静寂が、二人の間を濃く染める。拓也の指が資料をめくる音が、遥の耳に異様に大きく響く。

 遥は内心で思う。この視線は、いつからだろう。入社以来、数年。拓也の目はいつも仕事に徹していたのに、最近、脚に留まる時間が長くなった。タイトスカートを選ぶ日は、意図せず彼のデスクを訪れる回数が増える。今日もそう。脚を組む仕草は、無意識か、それとも。

 打ち合わせは進む。言葉は淡々と、しかし視線は沈黙の中で交錯する。遥が脚を組み替える。左脚が右の上に。今度は、太ももの付け根がわずかに露わに。ストッキングの縁が、影の中で光る。拓也の息が、僅かに止まる。遥の肌が、疼く。甘く、じんわりと。デスクの下で、互いの足先が、ほんの数センチの距離。触れそうで触れない緊張が、空気を震わせる。

「了解。明日までに修正を」拓也が立ち上がり、資料を置く。視線は最後に、再び脚に。遥は頷き、微笑む。オフィスの扉が閉まり、静寂が残る。

 その夜、遥のマンションは雨音に包まれていた。平日遅く、街灯の光がカーテン越しにぼんやりと差し込む。シャワーを浴び、ベッドに横になる。黒いシルクのネグリジェが、肌に滑る。脚が、疼く。昼間の視線を思い出す。拓也の目が、脚を辿る感触。ストッキングを脱ぎ捨て、素肌に指を這わせる。

 ゆっくりと。踵から、ふくらはぎへ。膝の裏、敏感な窪み。太ももの内側へ。指先が、熱を持った肌をなぞる。視線を想像する。あの沈黙のデスク下で、拓也の目が熱く沈む。息が絡む距離。遥の指が、深く滑る。甘い疼きが、腹の底から広がる。雨音が、吐息を隠す。身体が微かに震え、頂点に近づく。

 だが、止めた。指を離し、息を整える。余韻が、脚に残る。拓也の視線が、肌に刻まれたまま。明日、オフィスでまた。あの沈黙が、どんな変化を呼ぶのか。遥は目を閉じ、静かな期待に身を委ねた。

(第1話 終わり 次話へ続く)

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