芦屋恒一

色白女王の滴る主従契り(第1話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第1話:雪肌の視線と抑えきれぬ疼き

 平日、夜の帳が降りた頃合い、私はいつものバーに足を運んだ。62歳の身には、こうした場所が心地よい。仕事の重荷を下ろし、グラスを傾けながら、静かな時間を味わう。店内は薄暗く、ジャズの低音が空気に溶け、客層も皆、大人ばかり。カウンターに腰を下ろし、ウイスキーを注文する。氷の音が、耳に心地よい。

 バーテンダーがグラスを滑らせて寄越すのを待つ間、視線を店内に巡らせた。奥の席に、ひとりの女性がいた。28歳ほどだろうか。色白の肌が、照明の下で雪のように輝いている。黒いドレスがその白さを際立たせ、肩から鎖骨にかけてのラインが、柔らかくも張りのある曲線を描いていた。長い黒髪を後ろでまとめ、細い指でグラスを弄ぶ姿は、静かな威厳を湛えていた。

 彼女の視線が、私に絡みつくように移った。鋭い。まるで獲物を値踏みするような、冷たくも甘い目つき。62歳の男が、こんな美女に狙われるなど、思いもよらぬことだ。鼓動が、わずかに速まる。仕事一筋で家庭を顧みず、責任を背負い続けてきた身には、こうした出会いは非現実的でさえある。だが、体は正直だった。股間に、抑えきれない疼きが芽生える。

 彼女が立ち上がり、ゆっくりとこちらへ近づいてきた。ヒールの音が、床に響く。カウンターの隣に腰を下ろし、バーテンダーにジントニックを注文する声は、低く艶やかだ。

「ここ、いい席ね。邪魔、しないわよ」

 彼女の言葉に、微笑を返す。62歳の私は、軽率な男ではない。慎重に、言葉を選ぶ。

「いや、むしろ歓迎だ。ひとりで飲むより、賑やかでいい」

 彼女はグラスを受け取り、軽く口をつけた。色白の喉元が、わずかに上下する。その仕草だけで、肌が熱を持つ。名前を尋ねると、彼女は彩花と名乗った。28歳、フリーランスのデザイナーだという。会話は自然に弾む。仕事の話、街の喧騒、酒の味わい。だが、彼女の言葉には、どこか命令調の響きがあった。

「あなた、62歳でしょ? 随分と落ち着いてるわね。でも、目が熱い。隠しきれてないわよ」

 彼女の視線が、私の股間に一瞬落ちる。ドキリとする。雪のような肌が、照明に透け、鎖骨の窪みに影を落とす。息が浅くなる。女王様めいた気質が、会話の端々に滲む。冗談めかして、私のネクタイを指で軽く引き、

「こういう男、好きよ。責任感が強くて、でも内側に火がくすぶってるの。従順になれるタイプ?」

 私は笑って受け流すが、体は反応する。62歳の血が、熱く騒ぐ。彼女の色白の指が、私の手に触れた瞬間、電流のような疼きが走った。肌の冷たさと柔らかさ。甘い香りが、鼻腔をくすぐる。

 時間が過ぎ、客足が減る頃、彼女がスマホを取り出す。

「連絡先、交換しない? 面白そうよ、あなた」

 私は迷わず頷いた。血縁などない、ただの出会い。28歳の彩花と、62歳の私。年齢差が、かえって興奮を煽る。名刺を渡し、LINEを登録する。別れ際、彼女は私の耳元で囁いた。

「楽しかったわ。またね、恒一さん」

 その声の響きに、背筋が震える。バーから出ると、夜風が頰を撫で、街灯の光が路地を照らす。家路につきながら、股間の疼きが収まらない。62歳の体が、こんなにも敏感になるとは。

 夜更け、ベッドに横たわると、スマホが震えた。彩花からのメッセージだ。

『明日の夜、私の部屋へ来なさい。住所を送るわ。拒否は許さない』

 その言葉に、体が熱く反応した。62歳の老体が、期待で震える。女王の命令めいた文面に、抑えていた欲望が一気に溢れ出す。明日の夜、何が待つのか。雪肌の彩花が、私をどう導くのか。息を荒げ、スマホを握りしめた。

(第2話へ続く)

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