如月澪

取引先の視線に震える新人OL(第3話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第3話:残業オフィスの体温に溶けゆく息づかい

オフィスの空気は、平日夜の静寂に包まれていた。窓の外では街灯の淡い光が雨上がりの舗道を濡らし、空調の微かな唸りが唯一の伴奏のように響く。浩介の指先が美咲のデスクのファイルに触れ、離れるのを待たず、二人はそのまま視線を絡めた。触れ合った感触が静かに熱を帯びる。浩介の瞳に、業務の余韻を超えた柔らかさが浮かぶ。「こんな時間まで、よく残ってるね。プロジェクトのフォローか?」低く穏やかな声が、近くの空気を震わせる。

美咲は頷き、慌てて手を引く。心臓の鼓動が、耳元で鳴り響く。「ええ、数値の最終確認を。浩介さんこそ、忘れ物を取りに来てくれたんですよね。」少し上ずった声を、コーヒーのマグで隠すように口に運ぶ。浩介は軽く笑みを浮かべ、デスクの端に腰を預ける。スーツの袖口がわずかにめくれ、腕の筋が淡く浮かぶ。「そうだよ。ミーティングの後、君の隣に置いたままだった。気づいてなくて助かったよ。」彼の視線が、彼女の顔をゆっくりと辿る。頰のライン、首筋の微かな動き。美咲はパソコン画面に目を戻すが、指がキーボードで止まる。肩越しに体温が伝わってくる距離。

雑談は、自然に仕事の話から始まった。「今回のプロジェクト、君の資料が一番わかりやすかった。数字の並びが、物語みたいに流れがあるんだよな。」浩介の言葉に、美咲の胸が緩む。「本当ですか? 入社してまだ慣れないんですけど、先輩に褒められて嬉しくて。」彼女は小さく笑う。浩介の肩が、寄りかかるように近づく。デスクの狭さで、必然のように触れ合う。布地の摩擦が、肌を直接撫でるような熱を生む。「慣れないって、君の説明見てると全然感じないよ。落ち着いてるし、声もいい。」彼の息づかいが、耳朶に届く。温かく、静かなリズム。美咲の首筋が、かすかに震える。

話は、互いの日常へ移っていった。浩介がコーヒーを一口啜り、「俺は取引先を回る仕事だから、平日夜のオフィスは久しぶりだ。普段はバーで一杯やって帰るよ。君は?」美咲は視線を上げ、彼の横顔を見つめる。30代半ばの落ち着きに、柔らかな皺が寄る笑顔。「私は残業が多いですけど、帰ったらお風呂と本を読むくらい。雨の夜は、街灯見ながら歩くのが好きで。」言葉の端に、控えめな照れが滲む。浩介の瞳が深まる。「雨の夜か。いいね、それ。静かで、考え事に没頭できる。」彼の肩が、再び触れる。今度は、意図的に留まるように。体温が、じんわりと染み込む。美咲の肌が、内側から熱く疼き始める。

オフィスの照明が、デスクを柔らかく照らす中、二人は膝を寄せ合うように座っていた。浩介の指が、無意識に彼女の資料の端を撫でる。「このフォント、君の趣味?」さりげない質問に、美咲は頷き、手を重ねるように触れる。指先が、再び絡む。今回は、離さない。浩介の視線が、熱を帯びる。「美咲さん、って呼んでいい?」名前を囁くような声に、彼女の息が止まる。「ええ、もちろんです。浩介さんも。」互いの名前が、空気に溶け込む。肩の触れ合いが、腰のラインまで伝播する。浩介の手が、そっと彼女の手に覆い被さる。親指が、掌の中心を円を描くように撫でる。柔らかく、探るような動き。

美咲の身体が、静かに反応する。胸の奥が、甘く疼き、太腿の内側が熱を持つ。浩介の視線が、唇へ落ちる。「近くで見ると、きれいだね。」低く囁く声に、彼女の頰が火照る。抵抗なく、視線を返す。浩介の顔が、ゆっくり近づく。息遣いが混じり合う距離。唇が、触れ合う。柔らかく、湿った感触。最初は軽く、重なるだけ。だが、浩介の舌先が、そっと割り入り、彼女の唇をなぞる。美咲の口内が、熱く開く。甘い唾液の味が、絡みつく。キスは深まり、舌が互いを求め合う。浩介の手が、彼女の背中を滑り、腰を引き寄せる。肩から胸の膨らみへ、布地越しに熱が伝わる。

美咲の息が、乱れる。身体の芯が、鋭く震え、甘い波が下腹部を駆け巡る。浩介の唇が、首筋へ移る。湿った息が、肌を焦がす。「んっ……」小さく漏れる声に、彼の動きが熱を増す。指が、ブラウス越しに胸の頂を捉える。優しく、円を描くように。布地の摩擦が、快楽を呼び起こす。美咲の腰が、無意識に揺れる。強い疼きが、頂点へ近づく。浩介の唇が、再び唇を塞ぎ、舌が深く絡む。彼女の身体が、びくんと震え、甘い痺れが全身を駆け抜ける。部分的な絶頂のような波が静かに頂き、息を奪う。浩介の腕の中で、彼女は小さく身を委ねる。合意の熱が、二人の間を満たす。

やがて、唇が離れる。浩介の視線が、優しく彼女を包む。「ごめん、急に……でも、抑えられなかった。」息を整えながらの言葉に、美咲は頰を染め、首を振る。「私も……嬉しかった。」控えめな笑顔が、互いの心を溶かす。オフィスの静けさが、二人の余韻を優しく守る。浩介は立ち上がり、ネクタイを直す。「遅いから、送ろうか。でも、今日はここまで。解散しよう。また明日、ミーティングで。」「また明日」の言葉に、甘い予感が胸に残る。美咲は頷き、デスクを片付ける。

ドアへ向かう途中、浩介が振り返る。「明日、ミーティングの後、軽く飲みに行かない? オフィス近くのバーで。ゆっくり話したい。」誘いの視線に、美咲の心が揺れる。迷いながらも、頷く。「ええ、行きましょう。」微笑みが、自然に交わされる。エレベーターの扉が閉まる音が、オフィスに静かに響く。美咲の身体に、残る熱の記憶。明日、何が待つのか。胸のざわめきが、夜の街へ溶けていく。

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