如月澪

上司の視線、ストッキングの疼き(第4話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第4話:上司の部屋、溶け合うストッキングの熱

 佐伯課長の部屋は、オフィスから車で十分ほどのマンション最上階にあった。平日深夜の雨が降り続く街を抜け、到着したのは十一時近く。エレベーターの静かな上昇音が、互いの息づかいを際立たせる。ヒールを履き直した私の足音が、廊下の絨毯に吸い込まれ、ドアが開く瞬間、ストッキングの膝がまだ震えていた。第3話のオフィスでのキスと指の感触が、車中でも消えず、内側を疼かせ続けている。

 部屋に入ると、薄暗い照明がラウンジのような落ち着いた空間を浮かび上がらせる。窓辺に街灯の光が雨粒に乱反射し、ウイスキーのボトルが棚に並ぶ。独身の彼らしい、静かな大人の気配。ドアが閉まる音に、緊張が頂点に達する。「藤原さん……ここなら、ゆっくりできる」 彼の声が低く響き、手が私の腰に回る。自然な流れで、唇が再び重なる。オフィスより深いキス。舌が絡み、息が熱く混じり合う中、ストッキングの太ももが彼のスーツに擦れ、摩擦の熱が蘇る。

 互いのコートを脱がせ合い、ソファへ沈む。私の手が彼のネクタイを緩め、シャツのボタンを外す。3年間の視線が、今、肌に変わる。胸元が露わになると、彼の指がストッキングの裾をなぞり、スカートをゆっくり押し上げる。黒い光沢が照明に映え、膝から太ももへ、指の軌跡が熱く刻まれる。「ずっと、こう触れたかった」 囁きに、身体が応じる。ストッキングの繊維が指に引っかかり、微かな音を立てる。震えが、足の先まで広がる。

 彼が立ち上がり、私を抱き上げベッドへ運ぶ。ヒールが床に落ち、カツンと最後の残響を残す。ストッキング姿の脚が彼の腰に絡みつき、薄い膜越しに互いの熱が直に伝わる。ブラウスを脱がされ、それが剥ぎ取られる。素肌が空気に触れ、乳首が硬く尖るのを感じる。彼の唇が首筋を這い、胸へ降りる。舌の湿った感触に、背中が反る。ストッキングの内側で、太ももが熱く湿り気を帯び始める。オフィスの部分的な頂点が、今、全身に広がる予感。

 「佐伯さん……あっ」 名前を呼ぶ声が、甘く掠れる。彼の指がストッキングの腰口に滑り込み、ゆっくりと下ろし始める。ナイロンの感触が肌を滑り、足首まで剥がされる瞬間、解放された素足がシーツに沈む。だが、疼きは増すばかり。素肌の敏感さが、指の触れを何倍にも増幅させる。彼のズボンが脱がれ、硬く張りつめたものが露わになる。視線が絡み、合意の確認。私の手がそれを包み、ゆっくりと扱く。互いの息が速くなり、部屋の空気が熱く淀む。雨音が、外の静寂を強調する。

 彼の身体が覆い被さり、素肌同士が密着する。ストッキングは完全に脱がされ、素足の指が彼の背中に絡む。唇が再び重なり、舌が深く探り合う中、下半身が自然に重なる。ゆっくりと、熱い先端が私の入口を押し開く。ストッキングの記憶が、素肌の摩擦に変わる瞬間──震えが爆発する。「んっ……入ってきてる……佐伯さん」 声が漏れ、腰が無意識に持ち上がる。3年間の溜めが、ここで溶け出す。日常の視線が、こんな深い結合を生むなんて。

 動きが始まる。最初は優しく、探るように。私の脚が彼の腰に巻きつき、踵が背中を押す。ストッキング越しではなかった直の感触が、熱く内壁を擦る。息が乱れ、吐息が互いの耳に吹きかかる。「藤原さん……君の中、熱い……ずっと欲しかった」 彼の言葉に、心が崩れる。仕事中の視線、残業の触れ合い、深夜の告白──すべてが、この律動に集約される。腰の動きが速くなり、深く突かれるたび、甘い疼きが腹の底から湧き上がる。乳房を揉まれ、唇を吸われ、身体全体が快楽の波に飲まれる。

 頂点が近づく。私の手が彼の背中に爪を立て、脚が強く締めつける。ストッキングの幻のような光沢が、素肌の汗に変わる。雨の音が激しくなり、部屋の照明がぼやける。「あっ……佐伯さん、いく……!」 叫びが漏れ、身体が痙攣する。内側が収縮し、彼を強く締めつける。熱い奔流が同時に溢れ、互いの絶頂が溶け合う。震えが波のように続き、息が止まるほどの余波。オフィスの震えを遥かに超える、完全な解放。心理の壁が崩れ、ただの部下から恋人のように深まる。

 動きが止まり、互いの身体が重なり合う。汗ばんだ肌が密着し、息が静かに整う。彼の腕の中で、ストッキングの脱がされた脚が彼の脚に絡みつく。余韻の熱が、肌を焦がすように残る。「藤原さん……これからも、こうして……君と」 彼の囁きに、頷く。唇が優しく触れ合い、未来の約束。「私も……佐伯さんの視線、ずっと感じていたい。日常の中で、この熱を」 関係が変わった。仕事の延長で生まれた疼きが、消えない絆になる。

 窓の外で雨が弱まり、街灯の光が静かに差し込む。ベッドの上で、互いの視線が絡みつく。ストッキングの記憶と素肌の余熱が、忘れられない疼きを胸に刻む。この夜が、二人だけの秘密の始まり。明日からのオフィスが、甘く変わる予感に、身体が再び震えた。

(完)