久我涼一

ママ友夫に妻を寝取らせる視線(第1話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第1話:庭越しの疼き

 平日の夕暮れが、街の喧騒を柔らかく飲み込んでいた。38歳の健一は、いつものように会社から帰宅し、妻の美佐子が用意した夕食を囲む。36歳の美佐子は、穏やかな笑みを浮かべて箸を運ぶ。結婚して10年、互いの呼吸が自然に重なる日常。言葉少なに、今日の出来事を交わすのも、この時間の心地よさだった。

 「今日も遅かったのね。疲れたでしょう」

 美佐子の声は、静かな室内に溶け込む。健一は頷き、ビールの泡を眺めながら、ふと近所の話題を振った。近所に住むママ友の奈美、37歳の彼女のことだ。

 「奈美さん、最近見かけるわよ。昨日、ラウンジで少し話したの。あの人はいつも洗練されてるわよね。仕草の一つ一つが、品があるっていうか」

 美佐子の言葉に、健一の胸がわずかにざわついた。奈美とは、美佐子のママ友として、数年前に知り合った。血のつながりなどない、ただの近所の縁。奈美の夫、拓也は39歳のサラリーマンで、穏やかだがどこか余裕のある男だ。健一自身、数度顔を合わせたことがある。だが、奈美の存在が、健一の視界に焼きつくのは、彼女のその仕草だった。街灯の下で軽く髪をかき上げる動作、グラスを口に運ぶ指先の優雅さ。成熟した身体のラインが、日常の布地の下に潜む気配を、静かに主張する。

 夕食後、健一は庭に出た。後ろの家との境目は低いフェンスで、平日ともなれば人影もまばら。雨上がりの空気が湿り気を帯び、遠くのネオンがぼんやりと滲む。ふと、隣の庭に視線が向いた。奈美の家だ。彼女が一人、庭のテラスに立っていた。

 白いブラウスを羽織っただけの姿。夕風に裾が揺れ、肩から二の腕にかけての肌が、淡い光に照らされて露わになる。彼女は小さな植木に水をやりながら、ゆっくりと身を屈めた。その瞬間、ブラウスがずれ、胸元の柔らかな膨らみが影を落とす。鎖骨のラインが、息づかいとともに微かに震えていた。健一の喉が、乾いた。

 衝動だった。ポケットのスマホを、無意識に構えた。フェンス越し、庭の木々が視界をわずかに遮るが、奈美の姿は鮮明だ。彼女は気づかぬ様子で、水差しを置くと、首筋を軽く撫でた。汗ばんだ肌が、夕暮れの湿気でしっとりと光る。指先が耳朶に触れ、髪を束ね直す仕草。そこに、日常の隙間から零れ落ちる色香があった。健一の指がシャッターを切る。音など立てぬよう、息を潜めて。何枚目かの写真で、彼女がこちらを向いた気がした。だが、ただの風の気まぐれか。奈美は家の中に消えていった。

 スマホの画面に残る柔らかな肌の感触が、健一の掌に熱を伝える。心臓の鼓動が、静かな夜に響くようだった。責任ある男として、こんな行為に及ぶなど。妻がいる身だ。それなのに、胸の奥で疼くこの感覚。抑えきれない、ゆっくりとした膨張。

 夜更けの寝室。美佐子がベッドに横たわり、健一の肩に寄り添う。いつものように、互いの体温が交わる。だが今夜、健一の視線は違う。奈美の肌が脳裏に残る中、試すように言葉を漏らした。

 「拓也さんって、どんな人だと思う? 奈美さんの旦那さんさ」

 美佐子はわずかに身を起こし、夫の顔を覗き込む。暗がりで、その瞳が意外な光を湛えていた。静かな微笑みが、唇の端に浮かぶ。

 「あの人なら……試してみる?」

 一瞬の沈黙。健一の胸に、重い波が押し寄せる。妻の視線は、穏やかだが揺るぎない。日常の延長線上で、ゆっくりと膨らむ欲望の予感。美佐子の指が、健一の胸に触れる。その温もりに、背徳の疼きが募るばかりだった。

(第2話へ続く)

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