雨宮凪紗

受付嬢の咀嚼唇に疼く衝動(第1話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第1話:チェックインの絡みつく視線

 平日の夜遅く、街の喧騒を抜けた高層ホテルのロビーに足を踏み入れる。雨上がりの湿った空気がガラス扉を滑り、足音だけが静かに響く。カウンターの向こうに、彼女がいた。美咲、25歳の受付嬢。名札に刻まれた名前が、柔らかな照明の下で輝いている。

 「いらっしゃいませ。お疲れのところ、ようこそお越しくださいました」

 その声が、耳元で甘く溶ける。微笑みが、唇の端からゆっくり広がる。黒い制服が身体の曲線を優しく包み、胸元がわずかに揺れる。視線を上げると、瞳がこちらを捉えていた。深く、ねっとりと。

 肌が、熱く震えた。首筋から背中へ、ぞわぞわと電流が走る。チェックインの手続きをしながら、彼女の指先がキーボードを滑る音が、妙に生々しい。息が浅くなる。

 「本日はお一人様ですね。ご滞在は一泊でしょうか?」

 「ええ、そう。仕事の疲れを癒しに」

 言葉を返すと、彼女の唇がわずかに開き、息が漏れる。雑談が自然に弾む。ホテルのバーについて、雨の街の話。彼女の声は低く、喉の奥から響く。視線が絡みつく。カウンター越しに、指先が軽く触れそうになる距離。

 「この時間帯は静かでいいんですよ。大人だけが楽しめる、特別な空気」

 彼女の言葉に、身体の奥が疼く。微笑みが深まる。カードキーを渡す手が、こちらの指に触れた。柔らかく、温かい。熱が、指先から腕へ伝播する。心拍数が上がる。ズキンと、胸が疼く。

 部屋に入っても、余韻が消えない。シャワーを浴び、ベッドに沈む。スマホを手に取ると、連絡先の交換を提案されていた。さっきの雑談で、自然に。彼女の番号が、画面に並ぶ。

 夜中、メッセージが届く。

 『お部屋はいかがですか? ゆっくり休んでくださいね、美咲です』

 その文字だけで、肌が熱くなる。下腹部がじんわり疼き始める。返信を打つ指が震える。

 『快適だよ。君の笑顔のおかげかも』

 即座に返事が来る。絵文字の唇が、誘うように。

 『ふふ、嬉しい。明日もお仕事ですか? またお見かけできるかな』

 心臓が早鐘のように鳴る。身体が火照る。シーツを握りしめ、息を荒げながら想像する。彼女の唇が、ゆっくり動く様子を。咀嚼するような、ねっとりとした動きを。

 翌朝、チェックアウトのカウンターに立つ。彼女の姿を探す。そこにいた。同じ微笑み、同じ瞳。

 「ご出張、お疲れ様でした。またのお越しを、心よりお待ちしております」

 言葉の端に、熱が宿る。視線が、再び絡みつく。

 「実は、今日また来るよ。仕事の打ち合わせで」

 嘘じゃない。本当だ。彼女の目が輝く。

 「本当ですか? 楽しみです。夜、バーでお時間ありましたら、どうぞ」

 その誘いに、身体の奥が疼き始める。熱い波が、股間を駆け上がる。唇を噛み、頷く。

 ホテルを後にしても、肌の震えが止まらない。彼女の微笑みが、脳裏に焼きつく。夜の再訪が、待ちきれず、息が熱く乱れる。

 この疼きは、どこへ導くのか。美咲の唇が、どんな音を立てるのか。身体が、勝手に期待で震える。

(つづく)