この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。
## 第2話:袖を掠めるコスプレ囁き
翌夜。
平日、午後十時を過ぎたホテルロビー。
外は雨、絶え間なく。
街灯の橙が窓ガラスに滲み、カウンターをぼんやり照らす。
怜奈、28歳。
黒い制服、胸元の銀ピンが揺れ、瞳は闇を湛えたまま。
拓也、30歳が入る。
昨日と同じスーツ、襟を緩め、足取りに僅かな躊躇。
肌の奥、疼きの余韻。
カウンターへ近づく。
怜奈の視線が、即座に絡みつく。
首筋から、胸元へ。
ゆっくり、剥ぐように。
拓也の喉が、鳴る。
昨日より、重い。
主導権、揺らぐ。
「拓也様、再びお越しですね」
怜奈の声、低く甘く。
唇が開き、息の熱がカウンターに落ちる。
指がキーボードを滑る。
爪の赤、夜の血潮のように。
拓也の視線、指に囚われる。
逃れぬ。
チェックインの合間。
怜奈の瞳、細まる。
制服の襟元、鎖骨の影が深く。
拓也の視線、そこに沈む。
熱く、乾く喉。
怜奈の唇、微かに湿る。
「昨夜は、ご満足でしたか」
言葉が、吐息に変わる。
カウンター越しに、体が寄る。
制服の布地が、僅かに擦れる音。
拓也の指、カードキーを待つ掌で震え出す。
なぜ、こんなに。
ただの受付のはず。
怜奈の指、キーを摘む。
ゆっくり、拓也の掌へ。
昨日より、長い接触。
指先が、掌の中心を押す。
熱い、脈打つ。
電流が、腕を這い上がる。
拓也の息、止まる。
その隙に、怜奈の囁き。
声が、耳朶を掠める。
カウンターに身を寄せ、唇を近づける。
「コスプレ……お好きですか」
言葉の端に、甘い棘。
瞳が、拓也の瞳を射抜く。
支配の影、揺れる。
拓也の胸、ざわつく。
昨日の幻、白いナース服の感触。
網タイツの締め付け。
怜奈の肌、それに包まれる姿。
想像が、暴走しかける。
だが、怜奈の視線が押さえつける。
主導権、彼女のものか。
「え……」
拓也の声、掠れる。
返事の代わりに、怜奈の指が動く。
カウンターから伸び、拓也の袖を掠める。
布地を、爪の先でなぞる。
軽く、だが確実に。
袖口から、腕の内側へ熱が染み込む。
拓也の体、硬直。
甘い震え、下腹に集まる。
怜奈の唇、曲がる。
微笑の仮面の下、誘惑の牙。
指が、袖を離す。
一瞬の空白、息が絡む。
拓也の視線、怜奈の指に残る。
疼きが増す。
誰が、操るのか。
「私の部屋で、確かめてみませんか」
囁きが、再び。
声の振動が、カウンターを伝う。
怜奈の瞳、拓也の奥底を抉る。
制服の下、コスプレの布地が想像される。
白く、滑らかな。
肌に張り付き、息づく。
拓也の指、カードキーを握る。
熱い、怜奈の余温。
喉が、激しく上下。
合意の予感、甘く疼く。
拒めぬ、この引き。
怜奈の視線が、肯定を促す。
「ごゆっくり……今夜は、特に」
怜奈の言葉、最後の棘。
唇の曲線、深く弧を描く。
指が、カウンターを叩く。
リズムが、拓也の鼓動に重なる。
強くなる。
拓也、エレベーターへ。
背に、怜奈の視線が刺さる。
熱く、重く、焼くように。
振り返りたくなる。
足が、僅かに乱れる。
怜奈、まだ見ている。
瞳の熱が、背骨を伝う。
部屋の扉、開く。
ベッドのシーツ、白く怜奈の肌を予感させる。
拓也の指、袖を撫でる。
掠められた感触、消えぬ。
コスプレの囁き、耳に残る。
怜奈の部屋、何が待つ。
ナースの白布、網の締め付け。
視線で押さえつけ、覆う正常位の幻。
シャツを脱ぐ。
鏡に映る肌、赤く火照る。
下腹の脈動、激しく。
怜奈の指が、想像の爪のように這う。
息が、荒く。
主導権の綱引き、均衡が崩れかかる。
彼女の部屋へ、行くべきか。
窓辺、雨音。
ロビーの怜奈、カウンターで微笑む影。
制服の下、秘めたコスプレ。
拓也の肌、疼きが極まる。
明日、彼女の私室へ。
視線が、導く。
深夜の静寂、雨のヴェール。
怜奈の囁きが、拓也の全身を覆う。
脱げぬ熱、甘い支配。
次は、部屋で。
力の均衡、崩壊の予感。
(了)
次話へ続く──怜奈の私室で、コスプレの視線が拓也をベッドに導く夜。
(文字数:約1980字)