如月澪

女医妻の診察台に忍び寄る熱視線(第3話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第3話:深夜の診察室に溶ける吐息

 雨の夜から数日が過ぎ、平日遅くのクリニックに足を運んだ。足の違和感はもう口実にもならず、ただあの視線の熱を追いかけるためだ。名刺の番号に電話をかけると、遥先生の声が柔らかく応じ、深夜の予約を入れてくれた。エレベーターが静かに上がり、待合室は人影もなく、街灯の光が雨に滲んで窓ガラスを曇らせる。受付の女性がいない時間帯、扉が開くと遥先生が一人で立っていた。白衣のシルエットが薄暗い廊下に浮かび、眼鏡を外した瞳が俺を捉える。

「佐藤さん……こんな遅くに、どうしたんですか?」

 声に驚きと、かすかな期待が混じる。診察室に入ると、彼女は扉を静かに閉め、鍵をかけた。雨音が外から響き、部屋の空気を重く湿らせる。デスクのランプが橙色の光を落とし、彼女の頰を優しく染める。俺はベッドに腰を下ろし、言葉を探す。足のテーピングを指さし、経過の確認を口実に。だが、視線が絡み合うだけで、互いの息が速くなる。

「もう大丈夫のはずなのに……心配で」

 彼女は椅子を寄せ、俺の前にしゃがむ。掌が足首に触れ、テープをゆっくり剥がす。指先の震えが、前回より明確だ。温もりが皮膚に染み、雨の湿気が肌を敏感にさせる。彼女の吐息が膝に触れ、フローラルな香りが濃く漂う。プロフェッショナルな触診のはずが、指が内くるぶしをなぞる感触に、甘い疼きが走る。視線を上げると、彼女の瞳が揺れ、唇が微かに開いていた。

「遥先生……あの夜から、ずっと」

 俺の声が低く漏れる。彼女の手が止まり、掌が足首を包み込んだまま固まる。雨音が部屋を満たし、互いの鼓動が聞こえそうな距離。彼女の指が微かに動き、俺の腿に這うように滑る。抑えきれない熱が、空気を震わせる。俺は体を起こし、彼女の肩に手を置く。白衣の布地の下、柔らかな熱が伝わる。彼女の瞳が俺を見上げ、息が重なる。

「だめ……私は、夫がいるんです」

 囁きが零れ落ちる。結婚指輪がランプの光を反射し、指に冷たく光る。だが、その声に拒絶はない。孤独の告白が、再び滲む。俺の指が彼女の頰に触れ、眼鏡のない素顔を撫でる。滑らかな肌が、微かに震える。彼女の瞳に、夫の影が揺らぎながら、俺への想いが浮かぶ。互いの空白が、この深夜の部屋で溶け合う。

「それでも……あなたに、触れたい」

 彼女の言葉が、息と共に漏れる。合意の囁きだ。俺は彼女を引き寄せ、唇を重ねる。柔らかな感触が広がり、雨音に混じって吐息が響く。彼女の舌が微かに絡み、甘い熱が口内に満ちる。キスは深く、抑えていた想いが一気に溢れ出す。彼女の手が俺の背中に回り、白衣の布地が擦れる音が部屋に木霊する。指輪の冷たさが、俺の肌に触れても、熱は止まらない。

 ベッドに体を沈め、彼女を覆うように寄り添う。白衣のボタンを外すと、淡いグレーのブラウスが露わになり、鎖骨のラインがランプの光に浮かぶ。彼女の指が俺のシャツを掴み、互いの肌を求め合う。ブラウスをめくり、柔らかな胸の膨らみに掌を這わせる。布地の下、温かな鼓動が伝わり、彼女の体が微かに弓なりに反る。息が乱れ、唇が首筋をなぞる。彼女の吐息が耳元で熱く、甘い疼きが下腹部に集まる。

「ここは……診察室。誰かに見られるかも」

 彼女の声が震え、公然めいた緊張が興奮を煽る。窓の外、深夜の街灯が雨に滲み、ぼんやりとした光がカーテンを透かす。誰かが通りかかるかもしれない闇の気配が、体を震わせる。彼女のスカートをまくり、滑らかな腿に指を滑らせる。内腿の柔らかさが、熱く湿った感触を伝える。彼女の腰が微かに動き、俺の硬くなった部分に擦れるように寄り添う。互いの熱が布地越しに重なり、甘い摩擦が生む。

 彼女の手が俺のベルトに伸び、ゆっくりと外す。ズボンを下ろす感触に、体が震える。彼女の掌が、熱く脈打つ部分を優しく包み込む。指先の動きが、じわりと快楽を呼び起こす。俺は彼女のブラを外し、露わになった胸に唇を寄せる。頂の柔らかな突起を舌でなぞると、彼女の体がびくんと反応し、吐息が甘く漏れる。雨音が激しくなり、部屋の空気を震わせる。

「もっと……深く、触れて」

 合意の囁きが、俺を駆り立てる。彼女の脚を開き、熱く濡れた中心に指を這わせる。滑らかな襞が指を迎え入れ、温かな蜜が溢れ出す。ゆっくりと中を探ると、彼女の腰が浮き、爪が俺の背中に食い込む。息が荒くなり、体が震え始める。俺の硬くなった先端が、彼女の入口に触れ、互いの熱が溶け合う。ゆっくりと押し進むと、狭い内部が俺を締めつけ、甘い圧迫が全身を駆け巡る。

 動きは抑えめに、しかし深く。彼女の瞳が俺を捉え、唇が重なるたび、快楽が積み重なる。窓辺の薄明かりが、汗ばんだ肌を照らし、公然の緊張が頂点を煽る。彼女の体が震え、内部が収縮し始める。俺も限界が近づき、互いの息が一つになる。彼女の囁きが耳に響く。

「ああ……来て」

 強い反応が彼女を襲い、体が弓なりに反る。熱い波が俺を包み、部分的な絶頂が訪れる。吐息が部屋に満ち、雨音に溶ける。だが、完全な果てはまだ先だ。体を離さず、互いの熱を確かめ合う。彼女の瞳に、満足と新たな渇望が宿る。

 その時、デスクの電話が鳴り響く。着信画面に「夫」と表示され、彼女の体が一瞬固まる。指輪が冷たく光る。だが、彼女は俺の手を握りしめ、電話を無視する。着信音が止み、静寂が戻る。彼女の唇が俺の耳元に寄り、囁く。

「明日の夜……診察室の窓辺で、続きを。夫の影なんて、もう振り切るわ。私を選んで」

 合意の約束が、胸を熱くする。深夜の雨音が、二人の新たな絆を祝福するように響く。診察室を出る俺の背に、彼女の視線が絡みつく。明日の薄明かりの下、どんな快楽が待つのか。胸のざわめきが、雨の夜に溶けていった。

(第3話 終わり/次話へ続く)

(文字数:約2100字)