白坂透子

秘書の看護マッサージで上司悶絶絶頂(第1話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第1話:オフィスで肩を揉む秘書の温かな手

オフィスの窓から差し込む夕陽が、デスクの上を淡いオレンジに染めていた。28歳の秘書、佐藤美咲は、キーボードを叩く手を止めて、隣の席の上司、42歳の課長・田中浩一をそっと見つめた。浩一は肩を頻繁に回し、首筋をさすりながら書類に目を走らせている。過労の兆候だ。最近のプロジェクトが重なり、彼の表情はいつもより硬く、目元に疲労の影が落ちていた。

美咲は大学時代に取得した看護師資格を活かし、社内で健康相談役を務めていた。浩一とは3年ほど前から上司と秘書の関係で、信頼は厚い。穏やかな人柄の浩一は、美咲の提案をいつも真剣に聞いてくれる。今日も、タイミングを見計らって声をかけた。

「課長、肩が凝ってますね。少し揉みほぐしましょうか? 私、看護師の資格持ってるんですよ。簡単なマッサージならオフィスでもできます」

浩一は眼鏡を外し、軽く笑った。「おお、美咲さん。助かるよ。最近、夜中に目が覚めて肩が重いんだ。じゃあ、お言葉に甘えようか」

美咲は立ち上がり、浩一の椅子に近づいた。オフィスは残業組がちらほらいるが、この時間帯は比較的静か。彼女は浩一の後ろに回り、両手を彼の肩に置いた。シャツ越しに伝わる肩の硬さ。筋肉が石のように固くなっている。

「では、始めますね。力を抜いてください」

指先を優しく沈め、親指で肩甲骨の辺りを円を描くように押す。美咲の指は細くしなやかで、看護師の経験からくる正確な圧力が浩一の凝りを捉えた。浩一は小さく息を吐き、肩を落とした。

「うん、そこ……気持ちいい。美咲さん、手が温かいな」

その言葉に、美咲の胸が少し高鳴った。浩一の肌の温もりが、薄いシャツを通して指先にじんわり伝わってくる。普段はデスク越しに話す距離が、急に近くなった気がした。彼女は浩一の疲れた横顔を間近で見つめ、プロフェッショナルに集中しようとしたが、心のどこかで彼の吐息の熱さが気になり始めた。

マッサージを続けながら、美咲は会話を弾ませた。「課長、最近のプロジェクト、大変ですよね。私も資料作りで徹夜続きですけど、課長の指示が的確だから助かってます」

浩一は目を閉じて頷いた。「いや、君のサポートがなければ回らないよ。美咲さんみたいな秘書がいてくれて、本当に幸運だ」

褒め言葉に、美咲の頰がわずかに熱くなった。指を首筋に移し、軽くつまんで流す。浩一の首の皮膚が滑らかで、脈拍が少し速くなっているのがわかった。彼女の息も、自然と浅くなる。

ちょうどその時、美咲はデスクの上のコーヒーカップに気づいた。浩一のマッサージに集中しすぎて、肘がカップに触れてしまったのだ。カップが傾き、中身が少し零れ、デスクに黒い染みが広がる。

「あっ、ごめんなさい!」

美咲は慌ててティッシュを掴み、拭き始めた。浩一は目を開け、笑い出した。「ははっ、大丈夫だよ。僕のコーヒーなんか、いつもぬるくなってるんだから。美咲さんのマッサージが良すぎて、ついリラックスしちゃったな」

二人は顔を見合わせて笑った。オフィスの空気が一瞬、柔らかくなった。零れたコーヒーの匂いが混じり、日常の小さな失敗が、かえって親しみを生んだ。美咲は拭き終え、再び浩一の肩に戻った。「次は気をつけますね。でも、課長の笑顔見れてよかったです」

浩一の肩の硬さが、徐々に解れていく。美咲の指が鎖骨近くまで降り、シャツの襟元を軽く押す。浩一の息が熱く、わずかに荒くなった。「美咲さん……この温もり、心地いいよ。もっと、強くてもいい」

その声に、美咲の心臓が強く鳴った。指先から伝わる浩一の体温が、自身の身体を熱くさせる。信頼し合う関係が、肌の触れ合いを通じて、何か新しいものを芽生えさせている気がした。浩一の吐息が耳元近くで熱く感じられ、美咲は無意識に自分の唇を湿らせた。

マッサージを終え、美咲は手を離した。浩一は振り返り、彼女の目を見つめた。「ありがとう、本当に楽になった。美咲さん、次は家でゆっくりやってもらえるかな?」

その提案に、二人の視線が絡み、互いの信頼が一層深まった瞬間だった。

(第1話 終わり)