この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。
## 第1話:蒼白首筋の再会視線
雨の平日夜。
街灯が濡れた路地をぼんやり照らすバー。
カウンターに肘を預け、グラスを傾ける。
俺、悠真。三十路手前。独り身の営業マン。
ウィスキーの氷が溶ける音だけが、静寂を刻む。
扉が開く。
湿った空気が入り、甘い花の香りが混じる。
振り返る。
そこに、彼女。
彩乃。
二十八歳。幼馴染の。
色白の肌が、薄暗い照明に透ける。
黒いワンピースの襟元から、首筋が覗く。
蒼白く、細く、脈打つ血管が微かに浮かぶ。
視線が、釘付け。
息が、止まる。
彼女、気づく。
目が合う。
大きな瞳が、わずかに見開く。
唇が、乾いたように動く。
「悠真……くん?」
声、低く、震える。
カウンターに近づく。
ヒールが、床に響く。足音一つで、空気が重くなる。
座る。隣。
バーテンダーがグラスを置く。ジントニック。
指先が、グラスをなぞる。細い指。爪、淡いピンク。
俺の視線、首筋から離れぬ。
肌、陶器のように滑らか。触れたら、溶けそう。
「久しぶりね。こんなところで」
彩乃の唇、微笑む。赤みが、薄く差す。
夫が出張中だと聞く。
三年ぶりの再会。血の繋がりなどない、ただの幼馴染。
あの頃の記憶が、蘇る。無邪気な遊び。だが今、違う。
大人の、疼き。
話が弾む。
仕事の愚痴。日常の空白。
夫の不在が、隙間を作る。
グラスが空く。
俺の指が、偶然、彼女の手に触れる。
カウンターで、会計のレシートを渡す瞬間。
指先が、重なる。
冷たい。彩乃の肌。
なのに、熱い。
電流が、走る。
彼女の息、止まる。
瞳が、揺れる。俺を、捕らえる。
首筋に、薄い紅が差す。色白の肌が、際立つ。
「彩乃……綺麗になった」
言葉、漏れる。
彼女、目を伏せる。
睫毛が、影を落とす。
「ありがとう。でも……夫がいるのよ」
囁き。声に、甘い棘。
主導権、どちらに?
指先、離れぬ。微かな圧力。
彼女の脈、指に伝わる。速い。
バーの喧騒が、遠のく。
二人だけの空間。雨音だけ。
彩乃の唇、湿る。舌先で、なぞる仕草。
無意識か。誘うか。
俺の視線、下がる。胸元。ワンピースの布地が、肌を覆う。
息が、荒くなる。互いに。
「今夜だけ……いいよね?」
彼女の声。耳元で。
息が、首筋にかかる。熱い。
俺の指、彼女の手を、握る。強く。
頷く。無言で。
立ち上がる。
会計を済ませ、外へ。
雨、細く降る。
路地を、並んで歩く。
肩が、触れ合う。布越しに、柔らかさ。
彩乃の首筋、街灯に照らされ、輝く。
蒼白い肌が、蜜のように甘く見える。
唇の距離、縮まる予感。
彼女の自宅へ。夫のいない、密室。
指先が絡み、息が混じる瞬間を、想像。全身が、疼く。
扉の前に立つ。
鍵を回す音。
彩乃の瞳、俺を振り返る。
唇、わずかに開く。
中へ。薄明かりが、待つ。
次なる、誘惑の夜。
(第2話へ続く)
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