篠原美琴

パーティー裏で疼く色白ギャルの視線(第3話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第3話:廊下の薄闇で震える息づかい

 ガラス戸をくぐり、部屋の熱気が再び肌を包む。パーティーは後半戦。酒のグラスが空になり、ジャズのテンポが少し速まる。友人たちの声が重なり、低い笑いが波打つ。平日の夜の遅さ、仕事の疲れを酒で溶かす大人たちのざわめき。私は壁際に立ち、グラスを新たに取る。視線を巡らせる。バルコニーの余韻が、胸の奥で疼く。白い腕の揺れ。指先の距離。みゆの姿を探す。部屋の隅、ソファの影にいない。瞳が、自然と廊下の方へ。

 薄暗い廊下。パーティーの光が届かず、街灯の淡い光だけが壁を照らす。アパートの古い造り、絨毯の足音を吸い込む静けさ。トイレか、別の部屋か。私は無意識に足を進める。酒の熱が体を重くするが、心臓の鼓動は速い。角を曲がると、気配。彼女だ。みゆ。壁に寄りかかり、スマホの光が顔を照らす。白い肌が、スクリーンの青白い光で浮かび上がる。派手なメイクが、廊下の闇に溶け、唇の光沢だけが湿った輝きを放つ。彼女の瞳が、こちらを捉える。一瞬の沈黙。

 近づく。自然に、足音を忍ばせて。距離が、二メートル。一メートル。彼女のスマホが暗くなり、視線が上がる。絡みつく。バルコニーの続きのように、息が浅くなる。色白の頰が、わずかに上気している。街灯の光が、淡いピンクを浮かべる。メイクの下、素の肌が熱を帯びる気配。私の視線が、彼女の唇に落ちる。リップの輪郭が、息づかいに微かに震える。彼女の瞳が、逆に私の唇をなぞる。ゆっくりと、熱い線を引くように。三十歳の体が、震える。ためらいが、胸を締めつける。だが、足は止まらない。

 壁際に並ぶ。沈黙。廊下の空気が、濃くなる。パーティーのざわめきは遠く、ドアの向こう。互いの息づかいが、聞こえるほど近い。彼女の白い腕が、壁に触れ、指先が私の袖に影を落とす。触れそう。夜の静寂が、その間を埋める。頰の上気は、広がる。首筋まで、淡い熱が這う。私の視線が、そこを追う。鎖骨のくぼみが、トップスの縁で影を深くする。息が、互いに同期する。浅く、途切れがち。彼女の瞳が細まる。誘いの深み。私の唇が、乾く。舌で湿らせる仕草に、彼女の視線が留まる。

 距離が、溶け始める。肩が、わずかに寄る。白い肌の熱気が、空気に混じる。匂い。甘い香水と、酒の残り香。体温が、肌を這うように伝わる。私の手が、無意識に壁に触れる。指先が、彼女の指に影で重なる。触れない。だが、その気配だけで、全身が震える。胸の奥が、甘く疼く。熱が、下腹部へ降りる。抑えきれない。彼女の息づかいが、速まる。頰のピンクが濃くなる。視線が、再び私の唇を。なぞる。湿った想像が、頭をよぎる。沈黙の中で、互いの合意が、空気に満ちる。言葉はいらない。この疼きが、答え。

 彼女の体が、微かに傾く。白い腕の筋が、張る。私の視線を、引きつける。首を傾げ、耳元に息が触れそう。熱い吐息。私の肌が、鳥肌を立て、内側で燃える。三十歳の理性が、ためらう。だが、体は正直。腰のラインが、熱を持つ。彼女の瞳に、私の姿が映る。乱れた息。唇の震え。彼女の頰が、もっと上気する。指先が、動く。壁の上で、ついに影が溶ける。触れるか、触れないか。一瞬の頂点。全身が、甘く痙攣するような疼き。息が、止まる。互いの視線が、深く沈む。合意の熱が、廊下を満たす。

 だが、まだ。距離を保つ。ためらいが、甘い枷。彼女の唇が、微かに開く。言葉の気配。私の耳が、澄む。沈黙が、最高潮。体が、震え続ける。白い肌の輝きが、闇の中で鮮やか。頰の熱が、私を溶かす。心の隙間が、埋まりそうで、埋まらない。この疼きを、もっと。パーティーの終わりが、近づく。部屋のざわめきが、ドア越しに聞こえる。

 彼女の瞳が、微かに揺れる。視線で、誘う。次の場所。二人きり。私は沈黙で頷き返す。指先が、ようやく触れる。軽く、袖の端。合意の合図。廊下の薄闇が、二人を包む。パーティーの夜は、頂点を越え、次の部屋へ導く。この震えが、どこまで続くのか。

(1987文字)