如月澪

壁越しの熟女の秘め息(第2話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第2話:絡む視線と重なる吐息

 エレベーターの扉が開き、美咲の姿が拓也の視界に滑り込む。あの朝以来、二人の挨拶は少しだけ変わっていた。彼女の瞳が、以前より深く拓也を探るように。「おはよう、拓也さん。今日も雨みたいですね」。声は変わらず穏やかだが、言葉の後に続く沈黙が、微かな余韻を残す。拓也は頰の熱を抑え、「ええ、傘忘れちゃいました」と返す。彼女の視線が、わずかに長く留まる。ニットの胸元が息づかいに合わせて柔らかく揺れ、昨夜の記憶が脳裏をよぎる。壁越しの吐息。ふう……ふう……。

 それから数日、会話は自然に増えていった。平日夕方の廊下で鉢合わせれば、「拓也さん、夕飯は? 私、今日はカレー煮込んでるの。一杯どう?」と美咲が笑う。断れず部屋に入ると、キッチンの湯気が部屋を温かく満たす。彼女はエプロン姿で鍋をかき回し、独り暮らしのさびしさをぽつりと零す。「仕事終わりに帰ってくると、誰もいない部屋が広すぎて……。あなたも、そういうことある?」拓也は頷き、フリーランスの孤独を返す。締め切り前の夜更かし、誰にも言えない息苦しさ。血のつながらない隣人同士、互いの言葉が静かに響き合う。美咲の指がグラスを優しく撫でる仕草に、拓也の胸がざわつく。彼女の唇がワインで湿り、吐息が近くなった気がした。

 夜ごと、壁越しの甘い息づかいが拓也を煽った。二晩目、三晩目。雨の平日、時計が深夜を指す頃、隣室の気配が濃くなる。最初は微かな布ずれの音。シーツが肌に擦れる、柔らかな響き。続いて、吐息。抑え気味の、しかし熱を孕んだふう……っ。ベッドの軋みが加わり、きし、きし。美咲の体が、ゆっくりと動き出す想像が拓也を捕らえる。熟れた胸がシーツに押しつけられ、指先が下腹部を這う。彼女の腰が微かに浮き、息が乱れる。ふうん……あ……。声にならない溜息が、壁を越えて拓也の耳をくすぐる。お姉さんらしい優しい手つきで、自分を慰める姿。蜜に濡れた指が、秘部を優しく開き、円を描くように。

 拓也の体は毎夜、熱く反応した。下腹部の疼きが抑えきれず、手がズボンの中に滑り込む。固く膨張した自身を握り、根元から先端までをゆっくり扱く。壁越しのリズムに合わせるように、指の動きを速める。美咲の吐息が深くなれば、自分の息も荒く。きし……ふう……。彼女の指が敏感な芽を捏ね、腰が震える様子が音で蘇る。拓也の先走りが溢れ、手のひらを滑らかにする。想像が膨らみ、美咲の豊満な太腿が開き、湿った音が微かに混じる。彼女の唇が半開き、瞳が潤む。独りで頂点を探るお姉さんの姿に、興奮が頂点を極める。体がびくんと震え、白濁が腹部に熱く飛び散る。静寂が戻る頃、互いの荒い息が壁越しに溶け合うようだった。

 美咲も、拓也の気配に気づき始めた。朝のエレベーターで、視線が絡む時間が長くなる。「拓也さん、最近夜更かししてるみたいね。壁、薄いから……気配が伝わっちゃう」。彼女の言葉は冗談めかしたが、頰に薄い紅が差す。瞳の奥に、好奇と疼きの揺らぎ。夕方の廊下では、肩が触れ合う距離で立ち止まり、「私も、独りだと眠れないの。あなたのリズム、なんとなくわかるわ」。声が低く、息が熱い。拓也の視線が彼女の首筋に落ち、脈打つ血管に目が奪われる。ニットの隙間から覗く谷間が、息づかいに揺れる。互いの孤独が、視線を通じて甘く絡みつく。お姉さんらしい優しい笑みの裏で、夜の秘密が共有されていく。

 会話は深みを増した。ある夕暮れ、共有のベランダで煙草を吸う拓也に、美咲が近づく。「私も、時々吸っちゃうの。一人でいる夜が、寂しくて」。火を分け合い、煙が夕闇に溶ける。彼女の吐息が煙に混じり、「あなたみたいな人が隣でよかった。少し、安心するわ」。指先が拓也の腕に軽く触れ、電流のような震えが走る。血のつながらない隣人、ただの日常の延長。それなのに、視線が絡むたび、体温が上がる。美咲の瞳が、夜の記憶を映すように潤む。

 そんなある晩だった。平日、雨が窓を叩く深夜。壁越しの吐息が、いつもより早く始まった。ふう……ふうん……。美咲の息が熱く、ベッドの軋みが激しい。彼女の指が速く動き、溜息が漏れる。あ……っ。拓也もベッドに沈み、手を自身に這わせる。固く脈打つそれを扱き、壁のリズムに同期する。互いの息が重なり、部屋が熱く淀む。想像が頂点に近づく。美咲の体が弓なりに反り、蜜が指を濡らす。拓也の腰が浮き、先端から熱い滴が零れる。抑えきれない疼きが、二人の間を繋ぐ。

 その時、インターホンが鳴った。深夜の静寂を破る音。拓也の心臓が跳ねる。モニターに、美咲の姿。薄いネグリジェ姿で、頰を赤らめ、瞳を潤ませている。「拓也さん……今、起きてる? 話、聞いてもらえる?」。ドアを開けると、彼女の息づかいが廊下に満ち、甘い熱気が拓也の肌を撫でた。

(第2話 終わり 約1980字)

※次話へ続く