雨宮凪紗

白肌震わせる甘い吐息(第1話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第1話:バーで溶ける白い視線

 平日の夜のバー、ラウンジの柔らかな照明がカウンターを淡く染めていた。グラスの氷がカチンと鳴り、ジャズの低音が空気に溶け込む。俺はいつもの席に腰を下ろし、ウイスキーを一口。仕事の疲れが酒の熱でほぐれていく。

 隣に滑り込むように座った女がいた。25歳の遥。黒いワンピースが彼女の色白の肌を際立たせ、照明がその透き通る首筋を宝石みたいに輝かせる。細い指でグラスを傾け、ワインが赤い唇を濡らす。

「ここ、初めて?」

 俺の声に、遥が振り向く。柔らかな笑顔が弾け、大きな瞳が俺を捉える。

「ええ、仕事帰りに寄ってみたの。あなたは常連?」

 声が甘く響く。一瞬で意気投合した。仕事の愚痴から、好きな音楽、最近の映画。言葉が弾むたび、彼女の白い腕がカウンターで俺の手に近づく。照明の下、肌が息づくように輝き、触れそうで触れない距離が熱を溜めていく。

 遥が笑う。肩が揺れ、ワンピースの襟元から覗く鎖骨が白く浮かぶ。彼女が俺の視線を捉え、頰がわずかに紅潮する。

「なんか、話してると熱くなるね」

 彼女の指が俺の手に軽く触れた。電流みたいに熱が走る。柔らかい肌の感触、透き通る白さが指先に染み込む。遥の瞳が細まり、息が少し乱れる。

「うん、君の肌……綺麗だ」

 俺の言葉に、遥が身を寄せる。カウンター越しに肩が触れ合い、互いの体温が布越しに伝わる。彼女の吐息が耳にかかり、甘いワインの香りが混じる。白い首筋がすぐ近くで脈打つように輝き、俺の胸をざわつかせる。

 グラスを空け、遥が立ち上がる素振りを見せる。俺は咄嗟に手を伸ばし、彼女の細い腰に触れる。軽く、ただ支えるように。遥の体がびくりと震え、白い肌に鳥肌が立つのが見えた。

「あ……熱い」

 彼女の声が掠れ、笑顔が甘く歪む。瞳が潤み、俺を見つめる。触れ合った熱が指先から全身に広がり、互いの息が重なる。

「もっと話したい。連絡先、交換しない?」

 遥が頷き、スマホを差し出す。指が絡むように触れ合い、白い手の甲が俺の肌を撫でる。番号を打ち込み、遥の笑顔が近づく。唇がわずかに開き、甘い息が漏れる。

「明日、夜空いてる? またここで」

 俺の誘いに、遥の瞳が輝く。白い頰が熱を帯び、首筋の血管が淡く浮かぶ。

「うん、楽しみ」

 店を出る頃、雨がぱらつき始めた。遥の後ろ姿を見送り、タクシーに乗り込む。窓ガラスに映る俺の顔が熱っぽい。脳裏に焼き付くのは、あの白い首筋。照明に透ける肌の輝き、触れた瞬間の震え。指先の柔らかさ、甘い吐息の余韻。

 家に着き、ベッドに沈む。目を閉じると、遥の白肌が浮かぶ。明日、どんな熱が待ってるのか。胸の鼓動が速まり、俺はスマホを握りしめた。

 遥からのメッセージが届く。「おやすみ。明日ね♡」

 その一文で、体が疼き出す。白い肌が震える夜が、すぐそこまで来ていた。

(第2話へ続く)