この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。
## 第2話:鏡前の剥ぎ取り、乱れる息
オフィスの空気が、遥の囁きでさらに濃密に張り詰めた。「これから、どうなるの?」その言葉が、拓也の耳に甘く残る。体内の熱が、波のように下腹部を駆け巡る。視線が絡みつく中、遥はゆっくりと立ち上がり、コップを片付ける。指先の動きが、優雅で、しかし確実に主導権を握っている。
「続きは、私の部屋で。車、待ってるわ」
遥の声は低く、命令めいているのに、拒否を許さない柔らかさがある。拓也は頷くしかなかった。体が熱く、ズボンの内側で疼きが募る。立ち上がると、膝がわずかに震え、彼女の香水が鼻腔に絡みつく。オフィスのドアを抜け、エレベーターで地下駐車場へ。平日の夜のビルは、二人きりの静寂に包まれている。
遥の黒いセダンに乗り込む。エンジンの低い唸りが、拓也の脈拍と重なる。彼女はハンドルを握り、アクセルを踏む。街灯の光が、窓ガラスに反射し、断続的に二人の顔を照らす。拓也の視線が、遥の横顔を追う。首筋のラインが、街灯に白く浮かび、ウェーブのかかった髪が肩に落ちる。彼女は気づいているはずだ。ちらりと視線を返し、唇の端を上げる。
「熱いでしょう? まだ、始まったばかりよ」
言葉に、甘い圧。拓也の喉が鳴る。シートに体を預けると、布地が肌に擦れ、敏感になった神経を刺激する。媚薬の効果か、指先まで痺れるような疼き。外のネオンが流れ、雨粒がフロントガラスに打ちつける。平日の夜の街路は、バーから漏れる音楽と、遠い足音だけが響く。遥のマンションは、都心の静かなタワーマンション。エントランスの自動ドアが開き、二人はエレベーターに滑り込む。
部屋のドアが開くと、柔らかな間接照明が広がる。リビングのガラス窓からは、夜景の光が零れ落ちる。遥はコートを脱ぎ、ハイヒールを脱ぐ。素足の音が、フローリングに軽く響く。「座って」とソファを指し示すが、拓也の足は動かない。体温が上がり、シャツが肌に張りつく。彼女はキッチンでグラスに水を注ぎ、近づく。指が拓也の顎に触れ、水を飲ませる。冷たい液体が喉を滑るが、熱は引かない。
「我慢、してるのね。かわいいわ、拓也くん」
遥の視線が、鋭く落ちる。彼女は拓也の手を取り、リビングの奥へ導く。寝室のドアを開けると、大きな姿見の鏡が壁一面に広がる。ベッドのシーツは深紅で、部屋に甘いムスクの香りが漂う。遥は拓也を鏡の前に立たせ、自分は後ろに回る。息が、首筋にかかる。指先が、シャツのボタンに触れる。
「見てて。自分を、ちゃんと」
一粒ずつ、ボタンを外す。ゆっくり、意図的に。拓也の胸が露わになり、鏡に映る自分の肌が、熱く紅潮している。視線が、鏡越しの遥と絡む。彼女の瞳に、静かな支配の喜びが宿る。シャツを肩から滑らせ、床に落とす。次にベルト。金属音が、部屋に響く。ズボンを膝まで下ろすと、拓也の下着が露わになる。布地が、疼く部分を締めつけ、鏡にその輪郭がくっきり浮かぶ。
羞恥が、熱の波に変わる。拓也の息が乱れ、鏡の中の自分が、遥の視線に晒されている。彼女の指が、下着の縁をなぞる。軽く、しかし確実に。「ここ、こんなに張ってる。みんなに見せたいの?」言葉が、耳元で囁かれる。心理的な圧が、肌を震わせる。遥の胸が、背中に押しつけられ、柔らかな感触が伝わる。彼女の息も、わずかに速い。
拓也は耐える。鏡越しの視線を、鋭く返す。体内の疼きを、武器に変える。「課長こそ…息、荒いですよ」声が低く、反撃の糸を引く。遥の指が、一瞬止まる。彼女の瞳が、鏡で揺らぐ。主導権の綱引き。拓也は体をわずかに動かし、彼女の手に自分の手を重ねる。指を絡め、軽く握る。媚薬の敏感さが、触れ合いを甘く増幅させる。
遥は微笑むが、頰に薄い紅が差す。下着をゆっくり下ろす。拓也の熱く張りつめた部分が、鏡に晒される。空気が凍りつく。彼女の視線が、そこを射抜く。「恥ずかしい? それとも、興奮してるの?」言葉の端に、わずかな揺らぎ。拓也は息を整え、鏡の中の彼女の唇を見つめる。視線で押す。体が震え、頂点近くの疼きが、甘い拷問。
「課長の目が、離せないんですよ」
反撃の言葉に、遥の息が明らかに乱れる。彼女の指が、拓也の肌をなぞるが、動きに迷いが生じる。背後から抱きつくように体を寄せ、鏡に二人の姿が重なる。互いの熱が、伝播する。部屋の静寂が、息づかいだけを強調する。雨音が窓を叩き、夜の闇が深まる。遥の唇が、耳朶に触れそうになる。
「まだ、我慢できる?」
その声に、甘い沈黙が続く。拓也の視線が、鋭く返る。主導権が、揺らぎ、次の逆転の予感が、空気を震わせる。
(2014文字)