蜜環

女装受付嬢の視線支配(第2話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第2話:バーの跪き命令

 平日の夜。
 街灯の濡れた光が、アスファルトに滲む。
 バー「影の雫」。
 名刺の住所。
 拓也は二十八歳の独身。
 ドアを押す手が、僅かに震える。
 ジャズの低音が、肺に響く。
 カウンター奥。
 彼女。

 澪。
 二十四歳の女装受付嬢。
 昨夜のブラウスより、深い紫のドレス。
 肩紐が、鎖骨を削る。
 胸元に、微かに膨らむ影。
 脚は黒のストッキング。
 ハイヒールの先が、床を叩く。
 視線が、拓也を捕らえる。
 一瞬で。
 喉が、乾く。

 カウンターに近づく。
 澪の唇が、弧を描く。
 グラスを傾け、ワインの赤が揺れる。
 睫毛が、ゆっくり伏せる。
 「来てくれたのね。
 拓也さん。」

 声は、絹の棘。
 指が、グラスを回す。
 爪の深紅が、光を跳ねる。
 拓也の隣に、空席。
 座るよう、視線で促す。
 腰を落とす瞬間。
 澪の膝が、僅かに触れる。
 ストッキングの滑り。
 電流。
 股間が、熱く疼く。

 バーテンダーが、ウイスキーを置く。
 澪の指が、拓也のグラスに伸びる。
 氷を、軽くかき回す。
 爪が、ガラスの縁を掠める。
 音が、鼓動に重なる。
 「昨夜の続きよ。
 肩、楽になった?」

 言葉の端に、息。
 熱く、耳朶を撫でる。
 拓也の視線が、澪の首筋に落ちる。
 脈打つ、微かなうねり。
 ドレスの裾から、太腿の曲線。
 女装の完璧さ。
 だが、奥に潜む秘密。
 昨夜の匂い。
 Mの心が、膝を溶かす。

 澪の瞳が、狭まる。
 直視。
 拓也の胸を、抉る。
 「私の視線、逃げないで。」
 指先が、拓也の膝に落ちる。
 軽く。
 爪が、ズボンの生地を押す。
 甘い圧。
 体が、硬直する。
 熱が、下腹に集まる。

 バーの中。
 客はまばら。
 三十代の男が、独り酒。
 四十代の女が、煙草をくゆらす。
 ジャズのサックスが、吐息のように。
 澪の脚が、組まれる。
 ハイヒールの先が、拓也の靴に触れる。
 意図的。
 押し返す間もなく。
 視線が、絡む。
 主導権の綱引き。
 どちらが、引くか。

 「あなた、Mでしょ。
 昨夜の膝、震えてたわ。」
 澪の舌が、唇を湿らせる。
 ワインの雫が、顎を滑る。
 指で拭い、拓也の唇に近づける。
 「舐めて。」
 命令か。
 誘いか。
 拓也の息が、止まる。
 舌が、伸びる。
 塩辛い甘さ。
 澪の微笑。
 瞳孔が、広がる。

 体が、熱く反応。
 股間が、ズボンを押し上げる。
 澪の視線が、そこへ落ちる。
 ゆっくり。
 「いい反応。
 私の秘密、知りたくない?」
 ドレスの裾を、僅かに持ち上げる。
 ストッキングの上。
 膨らみの影。
 女装の奥。
 男の証。
 匂わせるだけ。
 拓也の喉が、鳴る。
 欲が、膨張する。

 澪の指が、拓也の顎を摘む。
 軽く、上を向かせる。
 視線が、合わさる。
 「ここじゃ、物足りないわね。
 もっと、深いところで。」
 息が、耳に吹きかかる。
 香水の残り香。
 甘く、腐る。
 Mの疼きが、全身を這う。

 カウンターの影。
 客の視線など、ない。
 澪のハイヒールが、床に落ちる音。
 一本。
 裸足の踵が、拓也の足に絡む。
 ストッキングの温もり。
 「跪いて。」
 囁き。
 低く。
 「私の靴に、触れて。」

 心臓が、爆発寸前。
 視線に、縛られる。
 カウンターの下。
 膝が、自然に折れる。
 床に、手が落ちる。
 ハイヒールの先を、指で撫でる。
 革の冷たさ。
 澪の脚が、微かに震える。
 支配の綱引き。
 互いの熱。
 合意の緊張。
 体が、震え出す。

 澪の指が、拓也の髪を掻き上げる。
 軽く、引き寄せる。
 靴の甲に、唇を寄せろ。
 無言の命令。
 拓也の息が、熱く吐き出る。
 唇が、触れる。
 柔らかな革。
 澪の吐息が、漏れる。
 「いい子ね。
 もっと、深く。」

 股間の疼きが、限界。
 澪の視線が、上から落ちる。
 微笑の棘。
 指が、拓也の首筋を滑る。
 爪の跡。
 甘い痺れ。
 立ち上がる合図。
 澪の唇が、耳元に。
 「私の部屋へ。
 今夜、許してあげる。」

 グラスを置き、立ち上がる澪。
 ドレスの裾が、揺れる。
 秘密の影が、誘う。
 拓也の膝が、震える。
 追う足音。
 バーのドアが、閉まる。
 路地の闇。
 次なる部屋の予感。
 疼きが、頂点へ。

(第2話 終わり 約2050字)