篠原美琴

孕んだ男の娘の貧乳に忍び寄る視線(第2話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第2話:隣り合うテーブルの息遣い

 翌日の平日、夕暮れが街を淡く染める頃、私は再び「琥珀」の扉を押した。雨は止み、湿った空気が路地に淀む。店内は昨日と同じく静かで、カウンターのマスターが新聞を広げ、奥の窓際テーブルに、悠の姿があった。二十歳の彼は、今日は薄いグレーのシャツを纏い、ゆったりしたパンツに足を組んでいる。妊娠五ヶ月目の腹が、布地の下で僅かに息づいていた。胸元は昨日より薄い生地で肌に寄り添い、貧乳の繊細な輪郭を影のように浮かび上がらせる。

 私はカウンターでコーヒーを注文し、視線を悠に向けないよう努めた。だが、心臓の鼓動が、昨日残した指先の熱を呼び覚ます。彼の指がカップを包み、ゆっくりと回す。シャツの皺が、胸の貧しい曲線に沿って揺れる。尖った先端が、布に微かな凹凸を生む。妊娠の影響か、肌が敏感に張りつめているのだろう。あの影は、息ごとに震え、空気に甘い疼きを溶け込ませる。

 マスターがコーヒーを置き、私の背に軽く手を添える仕草で、奥を指した。無言の勧め。私は頷き、悠の隣のテーブル──昨日と同じ席へ向かう。だが今日は、距離をさらに縮めたくなった。悠のテーブルに近づき、視線を合わせる。

 「ここ、隣に座ってもいい?」

 声は低く、抑揚を欠く。悠の肩が僅かに震え、黒い瞳が私を捉える。一瞬の沈黙の後、ゆっくりと頷く。言葉はない。ただ、唇が湿り、開きかける。私は席に腰を下ろし、テーブルの端にコーヒーを置いた。互いの膝が、テーブルの下で二十センチほどの隙間を保つ。空気が、熱を帯び始める。

 悠の呼吸が、聞こえる。浅く、途切れがち。薄いシャツの下、妊娠した腹が微かに上下する。内側で、何かが静かに動いていた。布地が優しく押し上げられ、柔らかな膨らみの輪郭が浮かぶ。私は視線をテーブルに落とし、コーヒーを啜った。だが、横目で彼の胸元を追う。貧乳の影が、シャツに沿って繊細に描かれる。呼吸に合わせて、僅かに揺らめく。あの柔らかさは、指でなぞれば、沈み込むだろうか。男の娘の華奢な体躯が、妊娠の熱を溜め、甘く疼いている。

 「昨日も、来てたね」

 私が口を開く。言葉は最小限。悠の指が、カップの縁をなぞる動きを止める。視線が、私の顔に留まる。頰が、僅かに上気する。

 「……うん。いつもの時間」

 彼の声は細く、息のように儚い。沈黙が、再び落ちる。店内のジャズが、低く響く。窓ガラスに、街灯の光が滲み、夕暮れの影を長く伸ばす。私はコーヒーを一口。悠の吐息が、隣から届く。湿った、甘い気配。妊娠した腹の微かな動きが、テーブルの下で空気を震わせる。シャツの裾が、僅かにずれ、腹部の柔らかな曲線が覗く。内側の鼓動が、布越しに伝わるようだ。

 視線が絡む。悠の瞳が、私の唇に落ちる。長い間留まる。息が止まる。私は動かず、その重みを肌で受け止めた。彼の貧乳の輪郭が、シャツに浮かぶ。尖った影が、息の乱れに合わせて震える。妊娠の体が熱を放つ。鎖骨の影が深まり、首筋に薄い汗の粒が浮かぶ。男の娘らしい中性的な柔らかさが、距離を溶かす。

 「この店、好きなんだ」

 悠が、ぽつりと続ける。指先が、テーブルの上で動く。私の手から、十五センチほど。爪が白く、細い血管が透ける。私は頷き、視線を落とさない。

 「私も。静かでいい」

 言葉の合間に、沈黙が深まる。互いの息遣いが、肌を撫でる。悠の胸元が、僅かに前傾する。貧乳の繊細な起伏が、シャツの薄い布に影を落とす。妊娠腹の膨らみが、テーブルの縁に近づいていた。内側で、微かな動きが繰り返される。熱い、生き生きとした脈動。私は喉を湿らせ、自分の手の甲に熱を感じた。指が、無意識にテーブルを這う。

 悠の視線が、再び私の唇に。長い、ためらいの視線。唇が、僅かに湿る。彼の息が、乱れ始める。シャツの下、貧乳の先端が布を押し、尖った影を濃くする。妊娠の影響で、敏感に疼いているのだろう。あの影に触れぬ距離で、全身が震える。私は息を吐き、視線を返す。互いの瞳に、熱が宿る。

 テーブルの上で、指が近づく。悠の指先が、私の小指に、十センチ。五センチ。触れそうで、触れぬ。空気が、張りつめる。妊娠した腹の微かな動きが、テーブルの下で響くように感じる。貧乳の輪郭が、呼吸に合わせて揺らめく。沈黙が、二人の肌を熱く這う。

 「最近、体調はどう?」

 私が問う。声が、かすれる。悠の頰が赤らみ、視線を伏せる。

 「……少し、重いけど。慣れてきた」

 彼の指が、止まる。三センチの距離。爪の先が、テーブルの木目をなぞる。私の指が、応じるように動く。触れぬ熱が、指先に絡む。悠の吐息が、漏れる。甘く、湿った音。胸元の影が、激しく揺れる。妊娠腹の膨らみが、シャツを優しく押し上げる。内側の気配が、二人を包む。

 店内の時計が、静かに時を刻む。マスターの足音が遠く、ジャズのメロディが沈黙を優しく埋める。私はコーヒーを飲み干し、視線を悠に固定した。彼の瞳が、揺れる。唇が、開きかける。指の距離が、二センチ。一ミリ。熱い息が、指先を撫でる。

 悠の視線が、私の首筋に滑る。妊娠した体の熱が、隣から溢れ出す。貧乳の繊細な曲線が、シャツに浮かび、誘うように震える。私は息を止め、沈黙を味わった。互いの心理が、僅かに溶け合う。ためらいが、甘い疼きを生む。

 マスターの声が、遠くで響く。新たな客の気配。私は立ち上がるのを、惜しむ。悠の指が、僅かに引く。触れぬ余韻が、残る。私は財布を出し、レジへ向かう。悠が後を追う。背中が近い。シャツの下、腹の微かな動きと、胸元の影が、視界に焼きつく。

 ドアを開け、外の冷たい風が頰を打つ。悠の足音が、隣に並ぶ。一瞬、視線が絡む。沈黙が、夜の路地を満たす。私は振り返り、言葉を探した。

 「また、明日も」

 悠の瞳が、輝く。頷き、唇が微笑むように動く。指先が、再び近づきそうで、離れる。熱い空気が、二人の間に残る。私は彼の背を見送り、胸の疼きを噛みしめた。次は、この距離を、もっと近くで。

次話へ続く──部屋の静寂で、手が触れ合う。

(約2050字)