神崎結維

女医ふたなりオフィス絶頂診察(第1話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第1話:残業疲れの社内診察

オフィスの灯りが一つ、また一つと消えていく。25歳の佐藤拓也は、残業の疲れが体に染みついたまま、廊下を歩いていた。デスクワークが続く日々で、肩と首の凝りが限界を迎えていた。社内医務室の扉をノックすると、中から柔らかな声が返ってきた。

「どうぞ、入って」

扉を開けると、そこにいたのは32歳の女医、遥だった。白衣に包まれた細身のシルエットが、部屋の淡い照明に浮かび上がる。黒髪を後ろで軽くまとめ、眼鏡の奥の瞳が穏やかに拓也を迎えた。社内医務室の担当医として、数ヶ月前に赴任して以来、拓也は何度か顔を合わせていたが、こうして一人で訪れるのは初めてだった。

「佐藤さん、ですか。遅くまでお疲れ様です。どうかしましたか?」

遥の声は優しく、まるで日常の延長のように自然だった。拓也はベッドに腰を下ろし、首をさすりながら症状を説明した。肩こりと頭痛、睡眠不足の蓄積。彼女はカルテを手に近づき、聴診器を耳にかけると、そっと拓也の背中に当てた。

冷たい金属の感触が、シャツ越しに伝わる。拓也の体がわずかに強張った。遥の指先が、聴診器を支えながら背中を軽く押さえ、呼吸の音を探るように動く。その動きは丁寧で、プロフェッショナルそのものだったが、指の温もりがじんわりと染みてくる。拓也は視線を落とし、息を潜めた。

「深呼吸をお願いします。はい、吸って……吐いて」

彼女の声が耳元で響く。距離が近い。白衣の裾が拓也の膝に触れ、かすかな布ずれの音がする。遥の吐息が、首筋に微かにかかる。拓也の心臓が、少し速くなった。診察のはずなのに、この空気はどこか違う。彼女の存在が、部屋を柔らかく満たしている。

診察を進めながら、遥は拓也の肩に手を置き、筋肉の硬さを確かめた。指先がゆっくりと揉みほぐすように動く。痛みではなく、心地よい圧迫感。拓也は目を閉じ、その感触に身を委ねた。彼女の指は細く、しかし力強く、凝りを探り当てるように滑る。

「ここが一番張ってますね。デスクワークの姿勢が悪いのかしら。毎日こんな時間までいらっしゃるんですか?」

遥の言葉に、拓也は小さく頷いた。会話が自然に弾む。仕事の愚痴、最近の睡眠不足、オフィスの空気。彼女は相槌を打ちながら、手を止めない。指が首筋へ移り、軽く押す。拓也の体が緩むのを感じ取ったのか、遥の唇に薄い笑みが浮かんだ。

その時、拓也の視線がふと下へ。遥の白衣の下、股間の辺りに、微かな膨らみが影のように見えた。気のせいか。白衣の皺か、それとも照明のトリックか。拓也は目を瞬かせ、慌てて視線を逸らした。女医の体つきに、そんなものがあるはずない。きっと疲れ目だ。心の中で自分に言い聞かせるが、胸のざわめきが収まらない。

遥は気づいていない様子で、診察を続ける。「ふふ、佐藤さん、緊張してますね。リラックスして。私の手、嫌じゃないでしょう?」

彼女の声に、冗談めかした響きが混じる。拓也は苦笑し、「いえ、気持ちいいです。ただ……女医さんなのに、力強いんですね」と返す。遥の目が細まり、「女医だからって、弱いと思ってる? 意外と強いところ、あるんですよ」と囁くように言った。その言葉に、拓也の想像が一瞬、境界を越えかける。強いところ? どこを指してるんだろう。冗談だとわかっていても、さっきの影が頭をよぎる。

指先が鎖骨の辺りをなぞり、肩甲骨へ。拓也の息が浅くなる。部屋は静かで、時計の針音だけが響く。遥の吐息が、再び耳に近づく。「もう少し、ほぐしますね。動かないで」

その距離感に、拓也の心が揺れた。診察のはずなのに、互いの視線が絡み合う。遥の瞳は曖昧で、何かを秘めているよう。彼女の指が止まり、代わりに掌全体で肩を包み込むように触れる。温かさが、シャツを越えて体温を伝える。拓也は言葉を失い、ただその感触に浸った。

やがて遥は手を離し、椅子に座って薬を処方した。「これで様子を見て。でも、肩こりは繰り返すから、また来てくださいね。いつでも診察しますよ」

拓也は立ち上がり、礼を言って部屋を出た。廊下の冷たい空気が、火照った体を冷ます。だが、耳に残る遥の吐息と、あの微かな影の記憶が、頭から離れない。気のせいか、それとも……。翌日、再び医務室を訪れる口実を探している自分に気づき、心がざわついた。彼女の「また来て」という言葉が、甘く響く。

(第1話 終わり)