白坂透子

取引先男に上司看護師絶頂イキ(第1話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第1話:取引先男の逞しい手に看護師の指が触れ合う

白衣の袖をまくり上げ、カルテを整理する私の手が少し震えていた。28歳の看護師、美咲――それが私だ。今日の午後、病院の会議室で取引先の営業マン、浩一さんが来訪する。医療機器の新提案を聞くだけの業務のはずなのに、なぜか朝から胸がざわついていた。

看護師長の恵子さんが部屋に入ってきた。38歳の彼女は、ベテランの風格をまとった大人の女性だ。黒髪をきっちりまとめ、眼鏡の奥の瞳はいつも穏やかで頼もしい。私より10歳年上なのに、どこか親しみやすい笑顔が魅力で、職場ではみんなの信頼を集めている。

「美咲、準備できた? 浩一さん、時間ぴったりに来るタイプよ。資料はこれで大丈夫かしら」

恵子さんの声に、私は慌てて頷いた。テーブルの上にパンフレットや契約書を並べ直す。窓から差し込む陽光が、部屋を柔らかく照らしていた。

ほどなくして、ノックの音。ドアを開けると、そこに立っていたのは35歳の浩一さんだった。スーツ姿がぴったりと体に沿い、肩幅の広さが印象的な男性。営業スマイルが爽やかで、名刺を差し出す手は意外に大きく、指が太く逞しい。

「こんにちは、いつもお世話になっております。株式会社メディックの浩一です。本日はよろしくお願いします」

低く響く声に、私は思わず視線を上げた。目が合う。黒い瞳がまっすぐに私を捉え、わずかに微笑む。その瞬間、下腹部に熱い疼きが走った。なんだろう、この感覚。仕事のミーティングなのに、心臓の鼓動が速くなる。

「こちらこそ、よろしくお願いします。私は看護師の美咲です。そしてこちらが看護師長の恵子です」

恵子さんが優雅に頭を下げ、席を勧める。私たちは三人、テーブルを囲んだ。浩一さんが鞄から資料を取り出し、説明を始める。医療機器の性能向上について、具体的なデータを示しながら熱心に語る姿に、プロフェッショナルな印象を受けた。

説明の合間、浩一さんがペンを取りに手を伸ばした。その時、私の指が彼の手に触れた。ほんの一瞬、資料を渡そうとして重なっただけ。なのに、その感触が鮮烈だった。浩一さんの手は温かく、指の腹が少し硬く、力強い。私の細い指が包み込まれるような錯覚に、背筋がぞわっと震えた。

「あ、すみません」

私は慌てて手を引いたが、浩一さんは穏やかに笑った。

「いえ、こちらこそ。美咲さんの手、細くてきれいですね。看護師さんのお手本みたい」

冗談めかした言葉に、頰が熱くなる。恵子さんがくすりと笑い、場を和ませる。

浩一さんの視線が、再び私に注がれた。熱っぽい、探るような目。説明を続ける口元が、わずかに湿り気を帯びて見える。私の下腹部がまた疼いた。白衣の下で、胸の先が硬く張りつめ、息が浅くなる。こんなところで、こんな感情が湧くなんて。恵子さんの存在が、かえってこの緊張を甘くしている気がした。彼女は落ち着いてメモを取りながら、時折浩一さんに鋭い質問を投げかけ、議論を深めていく。三人でテーブルを囲むこの距離感が、妙に親密に感じられた。

ミーティングは順調に進んだが、資料を運ぶ際に事件は起きた。私は追加のファイルを棚から取り、テーブルに戻ろうとした。ところが、足元に置いたコーヒーカップに気づかず、つまずいてしまった。

「あっ!」

カップが倒れ、黒い液体が浩一さんの資料に飛び散る。慌ててハンカチを差し出す私。

「ご、ごめんなさい! 浩一さん、大丈夫ですか?」

浩一さんはびっくりした顔をしたが、すぐに大笑いした。

「いやいや、こちらこそ油断してました。美咲さん、まるで日常の小さなハプニングみたいで、親近感湧きますよ。コーヒーの匂いがいいアクセントになりました」

恵子さんも笑いながらティッシュを渡す。

「美咲ったら、いつもキッチンでこんな失敗しそうよね。でもこれで浩一さんとの縁が深まったかも」

三人で拭きながら笑い合う。コーヒーの染みが資料に残ったが、なんだかこのユーモラスな失敗が、部屋の空気を柔らかくした。浩一さんの逞しい手が、私のハンカチ越しに資料を拭く姿を見ていると、またあの疼きが蘇る。指先の温もりが、想像の中で私の肌を這うようだった。

ミーティングが終わり、浩一さんが立ち上がる。握手で別れを告げる時、再び手が触れた。今度は意図的に、少し長く。恵子さんも加わり、三人で軽く手を合わせるような形に。浩一さんの視線が、私の下腹部を意識させるほど熱く、私の体が内側から熱を持った。

「今日はありがとうございました。また次回、詳細を詰めましょう。それと……今度、仕事抜きで三人で食事でもどうです? 恵子さんの提案で、ぜひ」

恵子さんがにこりと頷き、私を見る。彼女の目にも、穏やかな期待が浮かんでいた。

「ええ、いいアイデアね。美咲もどう?」

私は頷くしかなかった。胸が高鳴る。浩一さんの逞しい手、恵子さんの優しい視線。この三人の距離が、仕事の枠を超えようとしている予感に、体が震えた。下腹部の疼きが、甘い予感に変わる。

浩一さんが去った後、恵子さんが私の肩に手を置いた。

「楽しみね、美咲。あの人の手、逞しくて素敵だったわ」

その言葉に、私の胸はさらに高鳴った。三人で食事――その先にあるものが、ぼんやりと想像できてしまう。

(第1話 終わり)