如月澪

OLパーティーの唇絶頂奉仕(第2話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第2話:居酒屋の個室で絡まる手と視線

パーティーの喧騒を後にして、私たちは近くの居酒屋へ向かった。夜の街路はネオンがにじみ、ビルの谷間に湿った風が吹き抜ける。健太の歩幅に合わせて歩くうち、肩が時折触れ合い、その度に体温が伝わってくる。28歳の私、佐藤美香にとって、こんな夜は珍しい。経理のデスクで数字と向き合う日常が、急に色づき始めた気がした。

店は路地裏の小さな居酒屋で、健太が知る常連店だという。個室に通され、木の引き戸が閉まると、外の音が遠のいた。照明は暖かみのある橙色で、座卓にはビールと焼き鳥の皿が並ぶ。「二次会、来てくれてありがとう。パーティーだけじゃ話足りなかったんです」と健太が笑ってグラスを差し出す。30歳の彼の指先が、私のグラスに軽く触れた瞬間、心臓が小さく跳ねた。「こちらこそ。歓迎役の仕事が、こんな風に続くなんて」と返すと、二人は乾杯した。ビールの苦みが喉を滑り、頰が緩む。

話は自然と仕事の愚痴に移った。「営業から経理異動って、数字の山に埋もれそうで」と健太がため息をつく。私は頷きながら、自分の日常を吐露した。「毎月締め日のプレッシャーですよ。ミス一つで上司の目が厳しくなるし、残業続きでプライベートなんてないようなもの」。言葉を重ねるうち、互いの視線が深くなる。健太の瞳は穏やかだが、どこか熱を帯びていて、私の顔を優しく捉える。唇が乾くのを感じ、無意識に舌で湿らせる仕草をしてしまう。

酒が進むにつれ、話題は個人的な迷いに変わった。「最近、仕事ばっかりで自分を見失いそうなんです。休みの日もぼんやりして、何か足りない気がして」と私がぽつりと言うと、健太の表情が柔らかくなった。「わかりますよ。僕も異動前、似たようなこと考えてました。毎日同じループで、変化が欲しくなるんですよね」。彼の声が低く響き、座卓の下で膝が近づく。肩が触れ合い、体温がじんわり伝わる。空気が少し重みを増し、沈黙が訪れた。

その沈黙の中で、健太の視線が私の唇に注がれるのを意識した。パーティーの時より強く、熱っぽく。心臓の音が耳に響き、息が浅くなる。「美香さん……唇、きれいですね。さっきから、気になって」と彼が囁くように言った。名前を呼ばれた瞬間、頰が熱くなった。拒否の言葉を探すが、出てこない。代わりに、手が自然と動く。座卓の下で、彼の指先に触れ、そっと絡めた。健太の手は温かく、わずかに震えていた。互いの指が絡み合い、親指が優しく撫で合う。身体的な距離が、心理の揺れを加速させる。

空気感が熱を帯びていく。健太の顔が近づき、息遣いが混じり合う。唇が触れそうなくらいの距離で、彼の目が私を捉える。「美香さん、いいですか……?」その問いかけに、心が傾く。ためらいはある。でも、この夜の流れが、自然な合意のように感じられた。頷きかけた瞬間、引き戸の向こうで店員の声が響き、二人は慌てて体を離した。キスの寸前で止まった緊張が、胸に甘い疼きを残す。

笑って誤魔化し、ビールをもう一杯。話は再び軽くなるが、絡まった手の感触が忘れられない。健太の視線が、再び唇に戻る。「この後、もっとゆっくり話せたら……近くに、いいホテルありますよ」。その言葉に、心が揺れた。日常の延長のはずの二次会が、こんな誘いへ。拒む理由はないのに、期待が膨らむ。唇を軽く噛み、ゆっくり頷くと、健太の目が輝いた。

個室を出る頃、外の空気が冷たく感じた。でも、心の中は熱く、ホテルへの扉が開く予感に満ちていた。唇が、次の深みを待ちわびるように、かすかに震えていた。