芦屋恒一

女社長を悶絶させる女医看護師の蜜治療(第1話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第1話:女医の指先が肌に触れた瞬間

 病院の個室は、午後の柔らかな陽光に包まれていた。白いカーテンが微かに揺れ、空調の音が静かに響く。58歳の私、浩一は、会社の顧問としてこの病室を訪れていた。ベッドに横たわるのは、47歳の女社長、美佐子だ。彼女は私の古い知り合いであり、数々の事業を共に切り抜けてきたパートナー。数日前から体調を崩し、入院を余儀なくされたという連絡を受け、急遽駆けつけたのだ。

 「浩一さん、来てくれてありがとう。こんなところで寝転がってるなんて、情けないわね」

 美佐子はベッドから上体を起こし、弱々しく笑った。彼女の顔色は少し青白いが、目元にはいつもの鋭さが残っている。黒髪を後ろでまとめ、化粧気のない素顔が妙に新鮮だ。スーツ姿の私とは対照的に、薄い病衣が彼女の豊かな胸のラインを浮かび上がらせ、年齢を感じさせない張りのある肌が覗いていた。

 「情けないことなんてないさ。社長が倒れたら、会社が困るんだ。体調はどうだ?」

 私はベッドサイドの椅子に腰を下ろし、穏やかに尋ねた。美佐子は小さくため息をつき、仕事のプレッシャーや最近の不眠をぽつぽつと語り始めた。彼女の声はいつもより低く、疲労が滲んでいる。それでも、言葉の端々に責任感がにじみ出ていた。私たちは同世代の大人だ。互いに家庭を持ち、仕事に追われながら生きてきた。軽はずみな言葉は交わさない。

 そこへ、ノックの音が響いた。ドアが開き、中から二人の女性が入ってきた。一人は白衣を着た44歳の女医、恵子。もう一人は40歳の看護師、由美だ。美佐子が二人を紹介する。

 「浩一さん、この恵子先生と由美さんが私の担当よ。恵子先生は内科のエキスパートで、由美さんはいつも優しくて助かってるわ」

 恵子は落ち着いた微笑を浮かべ、名刺を差し出した。肩まで伸びたストレートの髪、知的な眼鏡の奥の瞳が印象的だ。白衣の下に着たブラウスが、控えめながらも女性らしい曲線を強調している。由美はナース服姿で、ふんわりしたショートカットが愛らしい。柔和な笑顔が、病室の空気を和ませた。

 「顧問のお方ですね。美佐子さんの体調相談、よろしくお願いします」

 恵子がそう言い、私の隣に近づいてきた。相談の流れで、美佐子の症状について詳しく聞くことになり、私はメモを取りながら相槌を打つ。話題が私の体調に移った時、恵子が突然提案した。

 「浩一さんも、せっかくだから脈を測ってみましょうか。美佐子さんの顧問として、ストレスが溜まっていませんか?」

 私は少し驚いたが、断る理由もない。恵子は私の手首に指を当て、静かに脈を計り始めた。その瞬間、彼女の細い指先が私の肌に直接触れた。白衣の袖が捲れ上がり、恵子の温かな肌が露わになる。柔らかく、しっとりとした感触。指の腹が軽く圧をかけ、私の脈動を捉える。

 ──ドクン、ドクン。

 私の心臓が、普段より少し速く鳴り始めた。恵子の指はプロフェッショナルに動くが、その微かな動きが妙に生々しい。爪の先が皮膚を優しくなぞるような感触。彼女の息遣いが近く、微かなフローラルな香りが鼻をくすぐる。視線を上げると、恵子の目が私を捉えていた。眼鏡越しの瞳が、静かに絡みつく。そこに、好奇心と何か別の光が宿っているように見えた。

 「脈拍、少し速めですね。ストレスですか? それとも……」

 恵子の声は低く、囁くよう。彼女の唇がわずかに湿り、微笑が深まる。私は年齢差を意識した。彼女は44歳、私の58歳とは14歳の開きがある。それでも、この視線の熱は、単なる医者のそれではない気がした。内面的な魅力──知性と自信に満ちた大人の女性のそれが、私の胸に刺さる。仕事一筋の人生で、こんなざわめきを久しく感じていなかった。

 恵子が指を離すと、由美が穏やかに割り込んできた。彼女は美佐子の枕元に立ち、優しい視線を私に向ける。

 「浩一さん、由美です。何かお困りごとがあったら、いつでも呼んでくださいね。美佐子さんも、顧問さんが来てくれて安心したみたいですよ」

 由美の目は柔らかく、まるで包み込むよう。ナース服の胸元が息遣いに合わせて上下し、豊満な谷間がちらりと見える。彼女の視線に、心が揺らぐ。40歳とは思えぬ瑞々しさと、母性的な優しさが混ざり合っている。私は思わず視線を逸らし、咳払いをした。

 相談は続き、美佐子の体調管理について具体的なアドバイスをもらった。恵子は私の脈の件を軽くまとめ、「また後で詳しく診ましょう」と付け加える。由美は美佐子の手を優しく握り、水を飲ませる。その一連の動作が、自然で洗練されている。

 美佐子がふと口を開いた。

 「浩一さん、夜また来てくれない? 仕事の話もしたいし、みんなでゆっくり」

 私は頷いた。病室を出る間際、恵子の指の感触がまだ手に残っている。由美の優しい視線が、背中にまとわりつくようだ。廊下を歩きながら、私は自嘲的に呟いた。

 「俺も診察が必要かもな。老骨に、こんな視線は毒だぜ」

 軽い自虐の言葉が、胸のざわめきを和らげた。だが、心の奥で、何かが静かに動き始めていた。夜の再訪が、ただの仕事の延長ではない予感がした。

(第1話 終わり)