如月澪

女装男子を女医がレズ絶頂へ導く(第1話)

この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。

## 第1話:聴診器の下で露わになる秘密の下着

 25歳のサラリーマン、拓也は、熱っぽい体を引きずって小さな診療所を訪れた。普段なら市販の風邪薬で済ませるところだが、咳が止まらず、会社の同僚に「ちゃんと医者行けよ」と背中を押されたのだ。待合室は閑散としており、数人の患者が静かに座っている。拓也は壁際の椅子に腰を下ろし、雑誌を手に取った。

 ふとページをめくろうとして、手が滑った。雑誌が床に落ち、派手な音を立てる。周囲の視線が一瞬集まり、拓也は慌てて拾い上げる。「すみません……」と小さく呟きながら、心の中で毒づいた。『最悪だな、こんなところでドジ踏むなんて。熱のせいかよ』。隣の女性患者がくすりと笑い、拓也は赤面した。日常の小さな失敗が、妙に恥ずかしい。普段の自分はもっとスマートに振る舞えるはずなのに。

 名前を呼ばれ、診察室に入る。担当は28歳の女医、遥だった。白衣姿の彼女は、穏やかな笑みを浮かべてカルテをめくる。「佐藤拓也さんですね。いつから具合が悪いんですか?」。声は柔らかく、落ち着いたトーン。拓也はベッドに座り、症状を説明した。喉の痛み、微熱、咳。遥はうなずきながら聴診器を耳に当てる。

 「上着をめくってもらえますか。深呼吸をお願いします」。拓也は素直に従い、シャツをまくり上げる。その瞬間、心臓が早鐘のように鳴った。今日の下着は、いつもの女装趣味のものだった。黒いレースのブラジャーと、それに合わせたショーツ。普段は誰にも見せない秘密の装い。仕事のストレスを発散するために、密かに楽しむものだ。『絶対にバレないはず……診察なんて上半身だけだし』。そう自分に言い聞かせてここに来たのに。

 聴診器の冷たい金属が肌に触れる。遥の指が軽く胸に添えられ、深呼吸を促す。「はい、ゆっくり吸って……吐いて」。拓也は息を整えようとするが、緊張で体がこわばる。遥の視線が、ふとブラジャーのレースに留まった。彼女の瞳がわずかに見開く。拓也の顔が熱くなる。『見られた……どうしよう。言い訳なんてできない』。

 遥は一瞬、動きを止めた。だが、すぐに平静を装い、聴診器を動かし続ける。「肺の音はクリアですね。風邪の初期症状でしょう。お薬を出しますから、数日安静に」。声に変化はないが、目が少し優しくなった気がした。拓也はシャツを直しながら、彼女の表情を窺う。好奇心? それとも……興味? 遥はカルテに何かを書き込みながら、軽く微笑んだ。「珍しい下着をお召しですね。気にしないでください、診察中は何でも見ますよ」。

 その言葉に、拓也の胸がざわついた。軽い冗談めかしたトーンだが、視線に温かみが混じっている。普段の女装は鏡の前だけで満足するものだったのに、こんな形で他人に――しかも美しい女医に――知られてしまうなんて。恥ずかしさと、奇妙な興奮が交錯する。遥は薬の処方箋を渡し、立ち上がった。「熱が続くようなら、また来てくださいね。ちゃんと治しましょう」。

 拓也は診察室を出る。待合室で薬を受け取り、外の空気を吸う。体はまだ熱っぽいが、心の中は別の熱でざわめいていた。あの視線。あの微笑み。『また来て、か……本気かよ』。遥の言葉が耳に残る。彼女の瞳に映った自分の姿を思い浮かべ、拓也は足を速めた。もしかしたら、これはただの風邪の終わりじゃないのかもしれない。

(第1話 終わり)