この作品は18歳未満の方の閲覧を禁止します。フィクションであり、現実の人物・事件とは一切関係ありません。
## 第1話:上司の温かな手が肩に触れる夜
オフィスの受付カウンターは、夕暮れの柔らかな光に包まれていた。25歳の新人受付嬢、佐藤美咲は、今日で入社一週間目を迎えていた。黒髪を耳にかけ、制服のスカートを整えながら、来客対応のマニュアルを何度も確認する。心臓の鼓動が少し速いのは、この仕事のプレッシャーか、それとも隣に立つ上司の存在か。
上司の神崎遥は32歳。受付部門の主任として、美咲の指導を任されていた。スラリとした長身に、シャープな顔立ち。黒のテーラードジャケットが似合う大人の女性だ。遥の視線はいつも穏やかで、美咲のミスを優しく正してくれる。その声は低く響き、耳に心地よい。
「美咲さん、名札の位置はもう少し左よ。笑顔はいい感じだけど、姿勢を意識して」
遥の言葉に、美咲は慌てて名札を直した。遥が近づき、美咲の肩にそっと手を置く。その指先の温もりが、薄いブラウス越しに伝わってきた。美咲の体が、わずかに震えた。温かくて、柔らかくて、予想外の感触。肩の筋肉が緩み、心臓が一瞬強く鳴る。
「リラックスして。最初は誰だって緊張するわ。私もそうだった」
遥の指が肩を軽く押さえ、優しく揉むように動いた。親指の腹が鎖骨の辺りをなぞる。美咲は息を呑み、頰が熱くなった。この距離、こんなに近くで上司の匂いがする。ほのかなフローラルの香水と、肌の温もり。ドキドキが止まらない。遥はただ指導しているだけなのに、美咲の体は敏感に反応してしまう。
「は、はい……神崎主任。ありがとうございます」
美咲は声を絞り出す。遥の手が離れると、肩に残る感触が名残惜しい。オフィス内の空気が、少し甘く感じられた。
午後の研修が終わり、休憩時間。美咲は社員食堂のキッチンコーナーでコーヒーを淹れようとした。緊張のあまり、手元が狂い、カップから熱い液体が零れる。「あっ!」と声を上げ、慌ててティッシュを探す。カウンターがべちゃべちゃだ。
そこへ遥が現れた。「あら、大変。拭くわよ」
遥はハンカチを取り出し、美咲の隣に寄り添う。細い指でカウンターを丁寧に拭きながら、美咲のスカートの裾に零れた雫に気づく。「ここもね」遥の手が美咲の太ももに軽く触れ、素早く拭き取った。その瞬間、美咲の肌がぴりりと反応する。布地越しの指の感触、温かく滑らかな動き。遥は笑って顔を上げた。
「私も昔、コーヒーこぼして上司に拭いてもらったのよ。恥ずかしくて真っ赤になったわ。美咲さん、可愛い失敗ね」
遥の笑顔に、美咲もつられて笑う。ユーモアが緊張を溶かす。キッチンの狭い空間で、二人は肩を並べる。遥の息が近く、胸が少し高鳴った。
その日の夕方、オフィスは残業の気配に包まれていた。美咲は受付のデータ入力に追われ、時計は19時を回る。遥がデスクに寄り、モニターを覗き込む。
「美咲さん、入力ミスがあるわ。ここ、直しましょ」
遥の体が美咲の背後に密着し、肩越しに手を伸ばす。遥の胸が美咲の背中に軽く触れ、柔らかな弾力が伝わる。美咲の息が浅くなる。遥の指がキーボードを叩き、時折美咲の手に重なる。その感触に、指先が熱い。指導の声が耳元で響き、低いトーンが体を震わせる。
「ありがとうございます、神崎主任。まだ慣れなくて……」
「大丈夫。一人で抱え込まないで。残業、手伝うわよ。終わったら一緒にご飯でも」
遥の提案に、美咲の心が弾む。残業を手伝う約束。オフィスの照明が二人を照らし、遥の横顔が美しく見える。肩に残る朝の温もり、キッチンの笑顔、そして今、この密着した距離。美咲の胸に、甘い予感が芽生えていた。遥の視線が絡み、離さない。きっと、この夜は特別になる――。
美咲は作業を続けながら、遥の存在を意識する。体が熱く、集中できない。残業の後、何が待っているのか。心臓の鼓動が、期待を語っていた。
(第1話 終わり)